米USスチールの工場=ペンシルベニア州ノースブラドック(AFP時事) 【ニューヨーク時事】バイデン前米大統領が日本製鉄によるUSスチール買収計画を阻止し、日鉄が米政府を提訴した問題を巡り、トランプ政権が裁判を停止するよう申し立てたことが8日、分かった。期限は6月5日。トランプ大統領が対米外国投資委員会(CFIUS)に対し、買収計画について安全保障上のリスクを再審査するよう命じたことが理由だ。要請は7日付。
CFIUSは今後、日鉄が提案した安保上のリスクを軽減する措置が十分かどうかを検証し、45日以内に大統領に報告する。再審査終了後、大統領が内容を精査するのに15日は必要なため、米政府は裁判の60日停止を要望した。5月12日に予定していた口頭弁論の見送りも求めた。
裁判所の開示文書によると、日鉄も米政府の提案に同意。米政府は申立書で、裁判を経ずに、「行政手続き」で日鉄の訴えを解決できる可能性があると意義を強調した。
日鉄による買収計画を巡っては、バイデン氏が安保上の懸念を理由に中止命令を下した。これに反発した日鉄は米政府を提訴していた。