女性向け風俗って“どこまで”するの? リアルに記録。初体験した30歳女性が「もっと広まるべき」と熱弁する理由<マンガ&インタビュー>

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2025年04月09日 16:20  女子SPA!

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女子SPA!

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 人気コミック『真・女性に風俗って必要ですか?〜女性用風俗店の裏方やったら人生いろいろ変わった件〜』(ヤチナツ著/新潮社刊)が、『ジョフウ〜女性に××××って必要ですか?〜』(火曜深夜0時30分〜ほか、テレ東系)としてドラマ化されて話題になっている。

 ひょんなことから女性用風俗店(女風/ジョフウ)の裏方として働くことになったアカリを通して、セラピストや客の人間模様、さらには人生を考えるよすがとなるドラマが描かれている。

 そこで、原作者のヤチナツさんと、大手女性用風俗店「東京秘密基地」のセラピスト・MITSURU(ミツル)さんに、女風とは何か、女性はなにを求めて女風にやってくるのかなどを対談してもらった。

◆エロをポップにとらえる大事な感覚

──ヤチナツさんは、どうしてこのコミックを描こうと思ったのですか。

ヤチナツ:編集者さんから、こういうネタで描きませんかと言われまして。エロいことをポップに描くのがすきなので、ぜひぜひと(笑)。

ミツル:エロをポップにとらえるって大事ですよね。日本ではどうしてもセックスは恋人、あるいは結婚を決めた人とでないとしてはいけない聖なる行為というイメージがありますが、堅すぎる。もっと楽しいもの、濃密なコミュニケーションのひとつとしてとらえていいと僕は思うんです。

ヤチナツ:ミツルさんはどうしてこの仕事を選んだんですか?

ミツル:僕は20歳のときにホストとして働き始めたんですが、実は合わなくて。来てくれたお客さんに恋愛感情を抱かせて、それを対価としていただくというのが性に合わなかった。どこかうしろめたくて。もっと自分でスキルを磨き、外見に気を配り、体を鍛えて自分の商品価値をエロに変えて、そのサービスで対価を得たかった。

◆女性客とセラピスト、ときに濃密な人間関係

──ヤチナツさんは女風に特に詳しいわけではなかったとか。

ヤチナツ:存在を知ってはいるというくらいだったので、コミックを描くにあたってはいろいろ取材をしました。女風の中小規模店が集まる「女風のおしごとフェア」というイベントに参加して、経営者やセラピストさんに話を聞いたり。女風バーでテーブルについてくれたセラピストさんや、そのお店の講師の方、あるいはSNSでお客さんとして行った女性と知り合って取材させてもらったり。本当にみんな、いろいろな背景があるなと思いました。

ミツル:印象に残った話はありますか?

ヤチナツ:もうやめちゃったセラピストさんなんですが、お客さんである女性から「毒親から自立できない」という相談を受け、客観的に見てもその家庭にいたらヤバいでしょという状況だったので、弁護士などに相談しながら、彼女が引っ越すのを手伝ったという話があったんです。

──客とセラピストがかなり濃密な人間関係になっていたわけですね。

ミツル:そういう話はときどき聞きます。もちろん業務以外だから、いろいろ問題をクリアしないといけないけど、体を重ねるのが仕事なので感情も濃くなるんですよね。セラピストの心をもっていれば、そういうある種の人助けも当然、することはありうると思う。

◆エロも重要、だけどこれは恋愛の場ではない

──でも逆に、恋愛感情を抱かれて困るというケースもあるかもしれませんね。

ミツル:それもよく聞きますね。やっぱりセラピストは好かれたいんです。だからつい恋愛感情を抱かせてしまうようなキャラを作ってしまうこともあり得る。でも僕はホスト時代にそれが嫌だったから、気持ちとして一線を引いています。

個人的な期待には応えられないということを言葉ではなく、雰囲気でわかってもらえるようにしている。その上で、悩みとか相談を持ちかけられたときには真摯に答えます。人としての信頼関係は重要、エロも重要、だけどこれは恋愛の場ではないとわかってもらえれば……。

ヤチナツ:今の時代は、女性もそのあたりは割り切っている人が多くなっているんじゃないでしょうか。どういう女性が来るケースが多いですか。

ミツル:いろいろなお客様がいますね。性的に熟したいという思いを抱えている人、性欲の発露として利用する人、パートナーはいるけどレスでもやもやした気持ちを発散させたい人などなど。気分転換だったり、自分が明日からがんばるためのご褒美だったり、利用する目的はさまざまですね。

◆セラピストの「心を開いてもらうテクニック」とは

──プロとはいえ、初対面の男性ですから緊張する女性も多そうですね。

ミツル:そこはどうやって心をほぐしてもらうか気を遣います。僕はまず話をして、相手の人となりを感じ取るようにしています。勇気を出して女風を利用しようとしているわけだから、その気持ちに応えて満足して帰ってもらいたい。楽しかったな、気持ちよかったなと思ってほしいし、一緒にいい時間を過ごしたいですから。

ヤチナツ:心を開いてもらうテクはありますか?

ミツル:時間がどのくらいあるのか、相手がなにを求めているのかにもよりますが、本来なら僕は相手の心の奥底を見たい。過去にトラウマがあるのか、そこから今につながっているコンプレックスがあるのか……。だからまずは自分の話をしますね。

僕自身、父親がものすごく怖い人で、男らしくなければならないと押しつけられて育ったんです。でも本来の僕はMに近い。だから両親が離婚したときは解放されたんですが、その反動でグレちゃった(笑)。本当は闘いなんて好きじゃないし、人とコミュニケーションをとって仲よくしているのが好き。だから刷り込まれたトラウマに立ち向かってきた。そんな話をすると、女性も心を開いてくれることが多いんです。そうすると一緒にいい時間を過ごすことができるようになる。

──人のいちばん柔らかいところに食い込んでくる感じですね(笑)。

<取材・文/亀山早苗 撮影/山川修一 漫画/ヤチナツ>

【亀山早苗】
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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