「同じだ。ずっと悪い!」シフトの不具合に苛立つ様子を見せたアルボン【F1第3戦無線レビュー(1)】

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2025年04月10日 07:00  AUTOSPORT web

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2025年F1第3戦日本GP アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)
 2025年F1第3戦日本GP。雨の予報もあったが、決勝レースはドライコンディションで始まった。マクラーレン優位の予想を覆してポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンだったが、序盤からトラブルに悩まされることになった。日本GP前半を無線とともに振り返る。

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 決勝レースは前日より10度前後低い路面温度のコンディションで始まろうとしていた。

フォーメーションラップジャンピエロ・ランビアーゼ(→マックス・フェルスタッペン):スタート手順に変更はない。

 ポールシッターのフェルスタッペンはスタートでホールショットを決め、マクラーレンの2台を従える形で周回を重ねた。しかしほどなくして、シフトアップの不具合が出始めた。

2周目ランビアーゼ:(ランド・ノリスが)0.95秒まで近づいたから、DRSを使われるぞ。フェルスタッペン:ああ。でもアップシフトがすごく悪い。特にセクター1で。

 後方ではスタートしてすぐにリアム・ローソン(レーシングブルズ)をかわして14番手に上がった新チームメイトの角田裕毅が、前を行くピエール・ガスリー(アルピーヌ)の1秒前後につけていた。

角田:最終コーナーのDRS検知ポイントはどこだっけ?リチャード・ウッド:ターン15だ。角田:(ターン15の)エイペックスだよね?ウッド:エイペックスだ。

 最終コーナーのDRS検知ポイントで1秒以内に入り、メインストレートで仕掛けようという目論見だ。角田の声は、実に落ち着いていた。

フェルスタッペン:またアップシフトがすごくフィーリングが悪い。

5周目ランビアーゼ:ディスプレイ3、ポジション5。これでアップシフトが改善するはずだ。状況を教えてくれ。フェルスタッペン:相変わらずセクター1でひどいよ。ランビアーゼ:あと2、3周でよくなるはずだ。

7周目フェルスタッペン:シフト、ちょっとよくなった。ランビアーゼ:了解。

 6周目、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)がアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)を抜き去って、7番手に上がった。

リカルド・アダミ(→ハミルトン):グッジョブだ。ターン7は、あまりプッシュするな。

ピエール・アムラン(→アジャ):ザック、ハミルトンのことは心配するな。後ろの(アレクサンダー)アルボンだけ注意するんだ。でもペースはいいぞ。グッジョブだ。

 ハジャーのことをスタッフたちは「ザック」と呼んでいるようだ。予選で勝ち取った7番手ポジションをハミルトンに奪われたが、マシン性能差を考えれば仕方がない。

9周目ウィル・ジョゼフ(→ランド・ノリス):20周くらいに雨が来るかもしれない。ただクラス1で1周で止む。計画を見直すほどじゃない。

ブライアン・ボッツィ(→シャルル・ルクレール):ラッセルは1秒1後ろだ。

10周目アレクサンダー・アルボン:このシフトの酷さ、君たちはいったい何をしたんだ?ジェームズ・アーウィン:具体的にどこでどう悪いんだ?アルボン:同じだよ。ずっと悪い!

 いつも冷静で穏やかなアルボンには珍しく、非常に苛立った声だった。

12周目ランビアーゼ:(アップシフトは)改善したか?フェルスタッペン:悪くない。でもターン14(スプーン)でタイムロスしている。

 すでにスタート前の時点で、決勝レースは1ストップで行けると各チームは踏んでいた。当然、戦略の自由度は大きく制限される。とはいえタイヤをできるだけ持たせることは、あくまで重要だ。

13周目ジョゼフ(→ノリス):タイヤのアップグレード(情報)だ。どのコンパウンドもフロントにグレイニングの兆候はない。リヤのオーバーヒートが勝負を決める。

17周目アルボン:風が強くなっているのか? メインストレートの終わりで失速する感じだ。アーウィン:いや、特に大きな変化はない。前のクルマの影響を受けているのかも。

L18ジョゼフ(→ノリス):フェルスタッペンに比べるとヘアピンでタイムロスしてる。オスカー(・ピアストリ)も同様だ。

 首位のフェルスタッペンとの差を、ノリスはなかなか縮めることができない。チームは先にノリスをピットインさせて、アンダーカットを狙う決断を下した。

ジョゼフ:ボックスして、フェルスタッペンを抜くぞ! ボックスだ。確認がほしい。ノリス:確認した。

 しかしすぐに、その指示は撤回された。

19周目ジョゼフ:ステイアウト、ステイアウトだ。

 一方、4番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を追うジョージ・ラッセル(メルセデス)には、ピットインの指示が飛んだ。

マーカス・ダドリー(→ラッセル):ボックス、ボックス。ルクレールの逆手を取ろう。

 ルクレールにアンダーカットを仕掛けて、前に出る作戦だった。対するルクレールはすぐに動かず。

ボッツィ:スティントを伸ばすぞ。後ろに空きがない。

 ピットに向かったのはラッセルの2周後、21周目だった。ラッセルはルクレールの前に出ることはできなかった。

20周目フェルスタッペン:プッシュしてほしい?ランビアーゼ:プッシュだ、マックス。

 21周目にフェルスタッペンはピットイン。1秒5背後にいたノリスも続いた。そしてピット出口までに2台はほぼ並び、ノリスは芝生に押し出されたように見えた。

22周目ノリス:(フェルスタッペンが)僕を押し出した

フェルスタッペン:自分で草の上を走っただけだ。ランビアーゼ:その通りだ。

ノリス:隣にいて僕を見ていた。ジョゼフ:わかっている。

 ノリスの首位奪取はならず。2秒後方でフェルスタッペンを追う展開となった。

────────────────────F1第3戦無線レビュー(2)に続く

[オートスポーツweb 2025年04月10日]

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