2025年F1第3戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の勝利を祝うレッドブル 2018年にレッドブルの姉妹チームであるトロロッソと、2019年からレッドブルと提携してきたホンダにとって、今年の日本GPは、パートナーとして臨む最後の日本GPとなった。
鈴鹿での成績はコロナ禍明け以降、2022年から3連勝中だったが、今年は昨年までとは状況が異なっていた。開幕2戦が厳しい結果に終わり、鈴鹿もコース特性的に厳しい戦いが予想されていたのだ。
そんな中で、土曜日の予選でマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得した。ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)も「ガレージにいるみんなも口には出していませんでしたが、4番手か5番手という雰囲気だったので、ポールポジションを取った時のガレージではみんなはしゃいでいました。しかも、予想していなかったタイムで、チームのみんなも驚いていました」というほどのスーパーラップだった。
折原GMは、今回フェルスタッペンがポールポジションを取った要因を次のように分析した。
「どの区間もパープル(全ドライバー最速)がなかったんですが、うまくまとめたんじゃないかと思います。ずっとセクター1でアンダーステアが出て苦しんでいたんですが、最後のアタックではそのセクター1でタイムを上げました」
「最後のアタックの前にフロントウイングのフラップを足すかどうか相談していて、GP(ジャンピエロ・ランビアーゼ/レースエンジニア)が『足すか?』と尋ねたら、マックスは『足したくない』と答えて、自分のドライビングでセクター1のアンダーステアに対応して、そこでのマクラーレンとの差を小さくして、セクター2と3で逆転したんだと思います」
日曜日のレースでもフェルスタッペン劇場が続いた。
「スタートでトップをキープした後、中国GPでは苦しんでいたタイヤマネージメントをしっかりと行っていました。レース終盤にマクラーレンに追い詰められましたが、最後はタイヤを使い切って逃げ切るあたりは、マックス様様です。最後マクラーレンに追い上げられた時は、われわれのほうでもマックスのドライビングに合わせてドライバビリティとエネマネを調整しました」
今年の日本GPはタイヤのタレが少ない分、ラップタイムがどんどん上がっていったため、折原GMをはじめとしたHRCのスタッフの対応は忙しかったという。
「PUに少しでも異常が発生するとポジョンを失うので、見ているほうは最後まで気が抜けませんでした」(折原GM)
こうして手にしたレッドブル・ホンダとしての最後の鈴鹿での優勝を、折原GMは喜んでいた。
「ただただうれしい。それから、今週末は思い切ってセットアップを変更していたことも勝因につながっていたと思います。それが結果として表れ、ここからチームとしても、トップに追いついていこうという気持ちを強く持つきっかけとなったような気がします」
日本GPだけでなく、最終年のシーズンもまた有終の美を飾ってほしい。
[オートスポーツweb 2025年04月10日]