ニュルとスパ、2週連続の24時間耐久開催で影響を受けるチームをSROが支援

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2025年04月10日 12:40  AUTOSPORT web

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毎年数多くのマシンがひしめき合い、多くの名門チームがGT3マシンで出場しているニュルブルクリンク24時間
 今季2025年のADAC・ラベノール24時間・ニュルブルクリンク(通称ニュルブルクリンク24時間レース)とクラウドストライク・スパ24時間レースの両方に出場するチームは、SROモータースポーツ・グループから後方支援を受けることとなる。同グループの創設者兼CEOであるステファン・ラテルは、このふたつのイベントが2週間内に続けて開催されるという「残念だが特殊な状況」を乗り切るために、SROが協力する用意があると語った。

 ラテルはSportscar365に対し、具体的な内容には踏み込まないものの、この特殊なカレンダーの状況によって直面するロジスティクスの課題を軽減するために、各チームが「具体的な要望」を出していると語った。

 伝統的に、このふたつの24時間レースは年間カレンダーでつねに別々の位置を占めており、チームやドライバーのクロスオーバーが目立っていた。ニュルブルクリンク24時間がIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジに組み込まれた昨季2024年は計8チームが両イベントに参加。このうちローヴェ・レーシングとハウプト・レーシング・チーム(HRT)は今季も両イベントに参加することをすでに公言している。

 一方、ダイナミックGT、ゲットスピード・パフォーマンス、ウォーケンホルスト・モータースポーツはいずれもGTワールドチャレンジ・ヨーロッパにフル参戦しており、昨年はニュル24時間に出走し、先日のNLSニュルブルクリンク耐久シリーズの開幕戦にも参戦している。

 また、リナルディ・レーシングは近藤真彦監督が率いるKONDO RACINGとのジョイントチームとしてフェラーリ296 GT3でニュル24時間に出場するが、独自の旗を掲げてGTWCヨーロッパ・エンデュランス・カップにもエントリーしている。

 ローヴェのボスであるハンス・ピーター・ナウンドルフは、以前からこのスケジュールについて口にしており、最近ではGTWCヨーロッパとニュル24時間でそれぞれ1台ずつに規模を縮小する理由として、カレンダーによって引き起こされる「前例のない組織上の課題」を挙げていた。

 ソノマで開催されたGTWCアメリカのシーズン開幕戦でSportscar365のインタビューを受けたラテルは、ニュルとスパの間のタイトなスケジュールによって影響を受けるチームを支援するために、組織として動いていることを明らかにした。

「我々はそれについて手配している。具体的な要望もいくつかあったので、アクセスしやすい場所に配置した。簡単なことではないが、やるしかないんだ」

 特に争点となっているのがスパ24時間の設営スケジュールで、昨年の大会のタイムテーブルを見ると、チームはレースウイーク前の日曜日の夕方にガレージを訪れ、翌日から車検が始まっている。同じようなスケジュールが今年も繰り返されれば、日曜日の16時に競技が終了するニュル24時間に参戦するチームには直接的な影響を与えることとなる。

 ナウンドルフは2024年の時点で、この点をとくに懸念し「不可能だ」とSportscar365に述べていた。

 対してSROのボスは、「私が思うに、彼らはかなり早くに到着できると思う」と語った。「だが、何人かは(実現可能かどうか)尋ねてきている。もちろん、私たちはそれを望んでいる」

「残念なことだが、ユニークな状況になっている。今後3年間のニュル24時間の日程はすでに決まっていて、それらは5月であるため問題はない。しかし、今年は少しクレイジーだと言わざるを得ないよ」

 議論のもうひとつの要因は、年間カレンダーにおけるスパ24時間の位置づけだ。伝統的に7月末に開催されてきた同イベントだが、2023年はF1ベルギーGPがその枠を占め、SROは開催日の変更を余儀なくされた。

 今後もスパ24時間は現在の6月最後の週末に開催されるのか、と問われたラテルは次のように答えた。

「そうだね。F1がまた我々を追い出さない限りは! この日程を維持していけることを望むよ」

 その場合、来季2026年はIGTCとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の間で日程の衝突が起きる可能性が高くなる。先月IMSAが来年のスケジュールを発表した際、ワトキンス・グレン6時間は従来の6月の枠に戻っており、スパ24時間と同じ週末に開催されることが決まっている。

「何とも言えないね」とラテル。「予定どおり開催する。ジョン(・ドゥーナンIMSA代表)と話したが、メーカーやチームと話し合って問題ないとのことだった」

「だから、問題がなければそれでいいんだ。我々のグリッドに影響はない。将来的にどうなるかは分からないが、それは誰にも分からない」


■グリッドは“定員オーバー”か

 ラテルはまた、今年のスパ24時間のエントリー数についても楽観的な予想を示し、イベントは定員オーバーになるだろうと予想している。

 昨年は当初67台がエントリーしたが、ワトキンス・グレンでのクラッシュを受けてアイアン・デイムスが撤退し、66台に減少した。今回は会場となるスパ・フランコルシャンのガレージスペースが制限要因となるため、「70台以上」が参加する可能性があるとラテルはほのめかしている。

「定員オーバーになるだろう。最終的なグリッドを発表が遅れるほど多くのエントリーリクエストがある。すべてはガレージの問題だ」

「チームには『ガレージの割り当ては終わった。1台増やしたいなら同じガレージを使うように』と伝えた。『2台分のガレージに3台、あるいは4台分のガレージに6台入れたいなら、それはあなたの判断次第だ』と言っている」

「くどいようだがガレージ次第ということだね。書類上ではもっと多くのクルマを入れることができるが、スペースには限りがある」

「ガレージをどう使うかはエントリーしているチーム次第だ。追加のマシンが欲しいなら、最終的な判断はチームに委ねられる」

「だから、最終的には70台以上になる可能性もある。たくさんのリクエストが来ているんだ。エントリーを断るのは難しいが、そうするしかない」

[オートスポーツweb 2025年04月10日]

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