
職場で経験する理不尽の中でも、上司による「責任転嫁」は特に許しがたい。自分の指示や判断ミスを棚に上げ、部下に責任をなすりつける行為は、部下のモチベーションを著しく損なう。
東京都の40代男性から、まさにそんな卑劣な上司についての投稿が寄せられた。自身が統括するプロジェクトが問題化するや、手のひらを返して部下のせいにした上司。しかし、その嘘は予想外の形で暴かれることになった。(文:天音琴葉)
「予算は俺が取るから」信じたら……
男性がとある新規事業の会社で働いていた時のこと。組織長である上司から、突然「〇〇という展示会に出展しろ」というオーダーが下った。
「予算の当てもなかったので、僕と同僚は『予算取ってないので無理です』と言った」
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と男性は語る。当然の反応だ。しかし、上司は「予算は俺が取るからお前らは出展手続きしろ」と強引に指示。その言葉を信じるしかなく、男性たちは手続きを進めた。
ところが出展料の支払いタイミングが近づくと、今度は社長から「こんな展示会に出展して意味があるのか」と横やりが入った。話は経営会議で議論される事態にまで発展する。
経営会議で上司が裏切り発言「僕は止めたのですが」
雲行きの怪しい状況で、経営会議に臨んだ男性。そこで上司から信じられない言葉が出てきた。
「僕の上司が『すみません、僕は止めたのですが、〇〇(僕の名前)が勝手に手続きしてしまいました』と言い出したんです」
出展を指示した張本人が、すべての責任を部下の男性になすりつけたのだ。「予算は俺が取る」と言った威勢はどこへやら、と男性は唖然としたことだろう。
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「結果、僕は悪者になり、主催者に払った手付金を放棄するという結論になった」
男性は理不尽な結末を受け入れるしかなかった。しかし、事態は思わぬ方向から急展開を迎える。
まさかの展示会の主催者から怒りの電話
手付金放棄の手続きを進めている最中、展示会の主催者側から副社長宛てに怒鳴り込みの電話が入ったのだ。その内容は、
「〇〇部長(上司の名前)が『出展するからいい場所を押さえろ』とおっしゃったので準備したのに、出展取りやめは納得いかない」
というものだった。まさに、上司が嘘をついていた証拠が別のところから出てきたのだ。この“アシスト”のおかげで、
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「僕が勝手に勧めたという社内の誤解は解け、その上司は懲戒処分になり、すぐに辞表出して辞めていきました」
と、事態は一気に解決した。この一件を経て、男性は「こんな上司が再び現れたら会社を辞めようと思いました」と強く心に決めたという。
ちなみに男性は数年後、この元上司が出入り業者として自社に来ているのを目撃。すぐさま関連部署に当時の状況を伝え、「いい加減なこと言う人だから、別の人に担当してもらうか、その会社には発注しないほうがいい」とアドバイスしたそうだ。
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