早川千絵監督、『PLAN 75』に続き2作品連続でカンヌ出品の快挙! 『ルノワール』予告&ポスター解禁

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2025年04月11日 09:10  クランクイン!

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映画『ルノワール』ポスタービジュアル (C)2025「RENOIR」製作委員会/International Partners
 早川千絵監督の長編2作目となる映画『ルノワール』が、第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されることが決まった。併せて、予告編とポスタービジュアルが解禁された。

【動画】河合優実、坂東龍汰らも出演『ルノワール』予告編

 長編初監督作品『PLAN 75』(2022)が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞し、同年のアカデミー賞日本代表として選出、さらに第16回アジア・フィルムアワード、中国最高賞と言われる第35回金鶏奨、第58回シカゴ国際映画祭他、世界各国の映画祭で監督賞にノミネートされた早川監督。カンヌ出品は2作品連続となる。

 高齢化社会が深刻化した近い将来の日本を舞台に、75歳以上の国民に生死の選択を迫る衝撃的な物語を描いた『PLAN 75』から3年―。最新作でつづられるのは、1980年代後半の夏、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女フキの物語。

 主人公フキを演じるのは、多数の候補者の中からオーディションで抜てきされた新人・鈴木唯。役柄と同様11歳だった彼女の、真っすぐに大人を見つめる視線、この年齢ならではの自然な躍動感、時折見せる寂しげな表情など、みずみずしい演技がスクリーンいっぱいに広がる。フキの母・詩子役に石田ひかり、父・圭司役にリリー・フランキーと、数々の映画賞を受賞してきた名優に加え、フキが出会う大人たちには、中島歩、『PLAN 75』に続き河合優実、そして坂東龍汰ら大ブレーク中の若手実力派俳優陣が出演する。

 12歳でカンヌ主演デビューを果たす鈴木が主演女優賞に輝いた場合、かつて主演男優賞を獲得した『誰も知らない』(是枝裕和監督作)の柳楽優弥(当時14歳)より若い最年少受賞となり、併せて日本人初の主演女優賞となる。

 子どもと大人の淡い境目をたゆたう少女のひと夏を描いた本作。マイペースで想像力豊かな主人公フキは、事情を抱えた大人たちと触れ合う中で、11歳の小さな体に宿る“うれしい・楽しい”という感情をむくむくと膨らませていくが、時折、子供特有の残酷な一面や鋭い視線を見せることも。早川監督は、少女が積み重ねていく感情のひだを細やかに描写すると共に、大人たちの人生のままならなさや、人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアを持って描き出した。

 予告編は、11歳のフキが「みなしごになってみたい」というタイトルの作文を提出し、母親(石田)が担任教師に呼び出されるシーンから始まる。自由な発想で時たま大人を驚かせるフキだが、闘病中の父親(リリー・フランキー)をいつも気にかけ、放課後は父親の病室へ通う。そんな日々の中で、フキがそれぞれに事情を抱えた大人たちと相対する姿が紡がれていく―。

 同じマンションに住む久理子(河合)が、悲しみに暮れた表情で、ベランダから下を見下ろしていることに気付くフキ。久理子は誰にも話せずにいた秘密をフキに打ち明け始める。またある時は、母が知り合った男性・御前崎(中島)や、大学生・薫(坂東)と出会い、フキの日常が変化していく。「人が死ぬと泣く、どうして悲しいんですか?」と大人に問いかけるフキの声。子どもと大人の間で揺れる、ひと夏が繊細に描かれる。

 ポスタービジュアルには、楽しそうに踊るフキの様子が大きく据えられている。うれしい、楽しい、寂しい、怖い…はちきれんばかりの感情を抱えたフキは、“悲しみ”を知って確かに大人に近づいていく。幾重にも変化する11歳の少女の表情は、私たちが過去に置いてきた、遠い日の宝石のような記憶を呼び覚ましてくれる。

 映画『ルノワール』は、6月20日より全国公開。
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