2025スーパーGT富士公式テスト 笑顔で質問に答える平峰一貴(TRS IMPUL with SDG Z) 2025年、オートスポーツwebは前身のクラッシュネット・ジャパンから名称を変更してから20周年を迎えました。これもひとえに、読者の皆さまのご愛顧のおかげです。そこで、皆さまへの感謝の意味も込め、20周年特別記念連載をスタートさせます。題して『オートスポーツweb20周年企画 20の質問で丸わかり』です。かつて、AS+Fやオートスポーツ本誌で連載されていた『100の質問』を20周年記念版でリメイク。スーパーGT GT500ドライバーのプライベートを解き明かしていきます。
第2回はTEAM IMPUL魂を受け継ぐ平峰一貴選手が登場です。取材時に『20の質問に答えていただく』と伝えたときには「すごいっすね……」と驚きなのか困惑の表情をみせつつ、しっかりとパーソナルな部分を明かしてくれました。
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Q1:よろしくお願いいたします。まず平峰選手の趣味はなんでしょうか?平峰一貴(以下、平峰):趣味といいますか、仕事がまったくないときや、少し休めるときは料理をしていることが多いですね。──ちなみにどういったお料理を作るのでしょう?平峰:いろいろですね。角煮、煮付け、パスタ、トマトのサラダなどなど、けっこう本格的に作ります。この前は金目鯛の煮付けを作りました。
Q2:最近気になっている芸能人や有名人は?平峰:好きな芸能人は、なかやまきんに君、英孝ちゃん(狩野英孝)、厚切りジェイソンです。──お笑い芸人好き?平峰:そうです。でも人気芸人よりかは、ちょっと違うオンリーワンな人たちが好きですね。とくに英孝ちゃんの歌手活動(50TA)はもう最高で、たまらなく大好きです(笑)。──えっと、ちなみに50TAで好きな楽曲は?平峰:彼がご自身で出している曲もありますけど、僕は大きな古時計の替え歌がめちゃくちゃ好きで、もうたまらないですね。
Q3:では、好きな本や映画、音楽は?平峰:アニメで言うと『ゴールデンカムイ』がすごく好きです。早く新しいシーズンが公開されないかなと、ずっとずっと思っています。(編注:アニメ版は第4期まで放送済み、次の第5期が最終章の予定)──実写版は見ましたか?平峰:実写版ももちろん見ました! けど、僕はやっぱりアニメ版のほうが正直好きですね〜。──では、アニメ版で好きなキャラクターは?平峰:え〜、どのキャラクターも特殊で好きなのですが、あえて言うなら『白石(白石由竹)』です。超面白くて笑っちゃいますよね(笑)。ゴールデンカムイはコメディ感がありつつ、本当の昔話も混じっていて、歴史の勉強にもなるのでオススメです。
Q4:続いて、平峰選手が行ってみたい場所はありますか?平峰:ベルギーのバゲットさん(パートナーのベルトラン・バゲット)のお家かな。「いつでも来て!」とは言われているのですが、まだ行けていないので、行ってお庭などをちょっと荒らしてみようかなと思っています。奥さんに怒られそうだな〜(笑)。
Q5:もし何か新しいスキルをひとつ身につけられるとしたら、何を学びたいですか?平峰:スキル!? なんだろうな……。いざ質問されると難しい。──レース以外でもいいですよ。平峰:あっ! 僕はレース以外にドリフトをしているのですが、将来的にラリーをしてみたいなと思っています。──ドリフト?平峰:ドリフトは好きです。ニッサン・シルビアでドリフトしていますよ。
Q6:休日もしくは暇な時間はどのように過ごすことが多いですか?平峰:う〜ん、最近あまり暇じゃないときが多くて(苦笑)。レースのこと以外はあまり考えられないです。でも、何も考えずにこの日は休んでいいと言われたら、やはり料理ですかね。仕事ではない時間があったら『こんな料理を作ってみたいな』ということを考え続けています。
Q7:人生で一番大切にしていることは何ですか?平峰:クルマから降りたら謙虚。クルマに乗ったらドSでいる(即答)。──その心は?平峰:知り合いの方にそう言われてからは、その教えて育ってきました。Mな部分はトレーニングのときくらいかな?(意味深)
Q8:どんな時に幸せを感じますか?平峰:やはり、レースで結果が出てみんなが喜んでくれているときは、自分でもすごく幸せだなと思っています。──そのように感じたレースは直近でありますか?平峰:2022年にチャンピオンを獲得したときです。あの年は自分も嬉しかったですけど、僕の難しい時期を知っていて、ここまで育ててくれた人たちに喜んでもらえたことがすごく嬉しかったです。あとは、チームのみんなから『良い走りだった』『ドラマチックな勝負で楽しかった』と言ってもらったときは嬉しかったですし、星野一義総監督、星野一樹監督が『最高だったよ!』と言ってくれるときがいちばん幸せです。
Q9:そんな平峰選手が尊敬する人は誰でしょうか?平峰:レース業界で言うと、一義さんと一樹さんの星野親子なのですが、別の業界だとイチローさんが大好きです。──野球好き?平峰:いや、野球はそこまで見ているわけではないのですが、イチローさんの取り組み方や努力の仕方など、すごく尊敬しています。
Q10:これまでの人生で、いちばんの挑戦は何でしたか?平峰:一樹監督と護摩行に行ったことですね。──ちょっと詳しく教えて下さい。平峰:えっ(苦笑)。2021年くらいに、一樹さんと一緒に野球選手などが修行で訪れている鹿児島県の最福寺に行きました。そこで精神修行のため、目の前で火が燃えているなか、お経を唱えながら何時間も正座をしました。もう終わったときには足が痺れて死にそうでした。
正直、やる前はそこまで辛いと思っていなかったのですけど、朝の6時半にお寺をお掃除してから声出しをして、その後に火の前でお教を唱えるので、あまりのキツさに途中から『これは覚悟しないといけない』と思いながら正座をしていました。
Q11:困難な状況に直面したとき、平峰選手はどのように対処しますか?平峰:どんな困難にもよりますけど『絶対に逃げず、突っ込んでいく』。あと、たとえばレース中のバトルもそうですが、僕は困難と戦えることをすごく楽しみに捉えています。人生はいろいろあるので、しっかりと困難と戦って向き合うことが大事です。
Q12:自分の長所と短所は何だと思いますか?平峰:なんだろうな。そう言われてみるとわからないですね。一樹監督に聞いてみてください(笑)。──では、自分が『これだけは他人に負けない』ということはありますか?平峰:戦う姿勢ですかね。悪い部分は『朝が苦手』『器用じゃない』など、正直たくさんありますよ。──朝が苦手だとレースウイークは辛いのでは?平峰:たま〜に寝坊してしまいます(苦笑)。『ヤバっ!』って起きるときもあります(笑)。
Q13:子どもの頃はどんな子供でしたか?平峰:母親がよく呼び出されていたので、いろいろ大変な子どもだったと思います。勉強をしなかったり、天井に穴を開けたり……、とにかく自由でした。
Q14:他の人から、どんな人だと言われることが多いですか?平峰:バゲットさんからは『クレイジー』『お前はおかしい』とよく言われます。でも、『僕はノーマルで逆にバゲットさんのほうがおかしい』と、よく言い合っています。──仲が良さそうで何よりです。平峰:正直、コンビ仲はめちゃくちゃ良いと思います。
Q15:自分を動物に例えるとしたら、どの動物だと思いますか?平峰:どう見ても猿でしょう! 見た目とかではなく、ピョコピョコしているところ、陽気なところ、あとは自由なところが、自分でも猿だなと思っています。
Q16:ではここからは『20』にちなんだ質問です。まず、20回以上通っているお店かレストランを教えてください。平峰:20回!? う〜ん、ここ何年かは行けていないのですが、以前僕が週2〜3日くらい通っていたお店が大田区の梅屋敷駅から徒歩5分くらいで行ける『江差(えさ)』という定食屋さんがあります。めちゃくちゃ安くて美味しいし、600〜650円ほどでとんかつにご飯山盛り、味噌汁、漬物を食べることができます。最近は僕が引っ越してしまったので行けていませんが、お店のお父さんとお母さんもすごく優しいお店です。
Q17:20年以上使っているものはありますか?平峰:20年!? それはさすがにないかもしれない。──では、20年とはいかないまでも、長年使い続けているものは?平峰:それもないかな〜。けっこう断捨離をするタイプなので、使わないのに置いていても……といった感じですし、最初ちょっと置いておいても、使っていないことに気づいたらスパッと捨てます。部屋が散らかっているのもすごく嫌いですね。
Q18:20年前は何をしていましたか?平峰:20年前は13歳なので、イギリスに留学してレースなどをしていました。
Q19:そんな20年前の自分に言いたいことは?平峰:もう『今までどおりガンガンやれ』と。『自分の嫌なことは嫌、納得いかないことは違う、それでいい』と言ってやりたいですね。
Q20:最後に、20年後にしていたいことは?平峰:20年後、53歳か。自分の好きな人たちと一緒にバーベキューをしたり、コーヒーを飲んだりして過ごしたいかな。──そのときレースには関わっていると思いますか?平峰:さすがに53歳でGT500クラスには乗っていないと思いますけど、何かはしていると思います。クルマは好きですけど、人も好きなので、自分がお世話になった人たちと一緒に食事をしたり、遊んだりできれば良いなと思っています。
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最初の及び腰から一転、質問の途中からは『らしさ』全開で質問に答えてくれた平峰選手。ぜひバゲットさんのお家を訪問した際には、またお話を聞かせてください。まだまだ2回目の本企画、次回は若手ドライバーが登場する予定です!
[オートスポーツweb 2025年04月11日]