今季2025年よりメルセデスに復帰しリザーブドライバーを務めているバルテリ・ボッタス 2025年F1第3戦日本GP メルセデスF1チームのチーフ・コミュニケーション・オフィサーを務めるブラッドリー・ロードは、ルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリが、日本GPのフリー走行終了から予選開始までの間に大きく前進した背景について、バルテリ・ボッタスが重要な役割を果たしていたことをレース終了後に認めた。
18歳のイタリア人ドライバーは、予選が始まるまでチャレンジングな鈴鹿サーキットでアタックするのに「迷い」があり、「自信がなかった」ことを認めたが、より信頼できるマシンを手に入れたことでチームメイトのジョージ・ラッセルとともにQ3に進出し、最終的に予選6番手につけた。
予選後、アントネッリは「セッションの展開には満足している」と認めたが、次のようにも明かしている。「その一方で、フリー走行前からこれだけドライビングを進歩させなければならなかったので、その点については落胆していた。フリー走行では大きな迷いがあった」
「フリー走行ではもっとプッシュしたり、前進したりする自信がまったくなかった。そして、FP1を終えたところから、ちょっと行き詰まってしまった。だから、ほとんど自信がない状態で予選に臨み、ドライビングするにあたって本当に大きな一歩を踏み出さなければならなかった」
マシンのセットアップは、よりドライバーが扱いやすいように変更されたが、アントネッリはその決定が自身によるものだと明かした。「最終的に、マシンは大きく変わったわけではなかったけれど、間違いなくより安全になった」
「予選の終わりでは、少し安全すぎたのは間違いない。でも、それはチームには関係ない。僕が自分で判断して決めたことだった。その状態だとフィーリングがよかったから、僕は自信を取り戻し始めた。それに、最後のラップでは間違いなくかなりの自信があった」
■経験豊富なベテランからのアドバイス
冒頭で述べたように、今季メルセデスに復帰しリザーブドライバーを務めるボッタスは、今回の状況の好転に重要な役割を果たした。アントネッリと膝を交えてともにデータを分析しながら、鈴鹿でタイヤを理想的な温度範囲まで上げることや、第1セクターで取るべき最適なラインについて、若いドライバーにいくつかの戦略を教えたのだ。
レース終了後、ロードは次のように語った。「バルテリ(・ボッタス)が今年踏み出したステップは、どのドライバーにとっても容易なものではない。我々はメルボルンで雑談をしていて、『どうしてる?』などと話していた。そして彼は言った。『変な感じだけど、現場にいたいんだ』とね。それには、彼は価値を高めてチームを強化しなければならないが、彼がそのチャンスにアプローチしてきた方法は実に印象的だった」
「メルボルンでの開幕、そしてあるレベルではテストにおいても、彼は少しずつアドバイスを提供してきた。また、彼はドライバーがアドバイスを受け入れる状態にあるかどうかを敏感に察知するんだ」
同氏は、鈴鹿でのことを次のように振り返った。「バルテリはキミ(・アントネッリ)と一緒に仕事をし、木曜日と予選前にもう一度話し合いをして、彼が観察したことの一部やオンボードからわかったこと、そしてサーキットに関する知識をキミに伝えていた」
ロードはまた、今週末のバーレーンGPで金曜日のFP1に出走する、テストドライバーのフレデリック・ベスティについても称賛し、こう述べた。
「バルテリはここのサーキットにいたが、フレデリック・ベスティは今週末拠点に戻ってシミュレーター作業を行った。すべてバーチャルではあるが、彼はこれまでに『W16』で誰よりも多くの距離を走破した」
最後に、ロードは誇らしげに語った。「経験の浅いキミのようなルーキーをチームに迎え入れ、最初から彼らの潜在能力を発揮できるようにすることは、チーム全体の努力によることが証明されている。フレデリックについてよかったのは、バーレーンでFP1に出場することだ。彼は金曜日に実際のマシンを初めてドライブできるのだ」
[オートスポーツweb 2025年04月11日]