
「どちらかというと、刑事より探偵に近いような感じがあるかもしれません」
と、新ドラマ『失踪人捜索班 消えた真実』主演の町田啓太。
心がけていることは「できる限り差し入れを多くしたり(笑)」
連ドラ主演は約3年ぶり。
「主演であることをまったく気にしないっていうことは、僕の中ではないです。責任ある立場だとやっぱり思うので。ただ、“面白いものをみんなで作れたら最高”と思うタイプなので、そんな環境であるように努めたいと思っています。心がけていること? 強いて言えば、できる限り差し入れを多くしたり(笑)」
刑事・城崎達彦(町田)の妻で、通信社記者の恵子(泉里香)が突如、失踪。城崎は事件に巻き込まれたと確信するも、警察は捜査を早々に切り上げる。
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その不可解な対応に城崎は刑事を辞職し、妻を捜し出すため失踪案件専門の探偵社“失踪人捜索班”を結成。各分野のプロフェッショナルメンバーとともに動き出す……。
「僕が演じる城崎は知恵を絞って、仲間たちに動いてもらう司令塔の側面が大きいかもしれません。ただ絶対に諦めずに、物事を追っていく。真実をつかもうとする姿に僕も力をもらうし、すごく魅力的だなと思っています」
妻のために諦めない男。城崎との共通点を聞いてみると、
「どちらかというと、考え抜いて現場に挑みたいほうなので、そこは共感しますね。やっぱり楽しいものを作りたいし、そのほうが自信を持って臨めるので。ただ、城崎はかなり周りの人への頼り方がうまいです。僕は“頑張ろう!”と思うほどに自分でやろうとしすぎて、空回りして、失敗することが多々あったので(笑)。羨ましいなと思いますね」
ぶっちゃけ、失踪したくなったことってある?
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「ありますね(笑)。逆にみなさんもありませんか? 学生時代は寮生活をしていたので、そのころはそんなふうに思うことも。そういえば、失踪している人もいましたね、戻ってきていたけど(笑)。
今は、電波も届かない少し遠い場所でリフレッシュしたくなるときもありますが、さすがに(笑)。共演者のみなさんの顔が走馬灯のように思い浮かぶだろうな(笑)。ご迷惑をおかけするわけにはいかないので、自分本位にはなれないですね」
城崎のように、諦めないからこそ何かを得た─。そんな経験を聞いてみると、
「今思うと、何でもそうだったような気がします。特に若いころは野球や剣道など。全部、僕なりにしっかりやってきたと思うので。そんな経験をする中で培ったものは今、役者業をやる中で役立っているものがたくさんあると思います」
俳優をやることは「挑戦だった」
役者になってからも、毎作品が新しい挑戦だと真剣な眼差し。
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「最初のころは、役柄も名字だけだったり、“不良B”など。俳優をやることは、やっぱり挑戦だったと思います」
俳優の町田にではなく、同じ事務所のアーティストに映画やドラマのオファーが届くことも少なくなかった。
「もちろん、それは認知度として当たり前のこと。そんな中でも、地道に諦めずにやってきた自負はあります。頑張っていれば、誰かしらが見ていてくれる。仕事をするほどに“あのとき一緒でしたね”と声をかけてもらえることが増えてきて。
今、僕がいろいろなことをやれているのは、“いいものを作ろう”“自分にできる最大限で頑張ろう”と諦めずにやってきたからだと思っています。今後もちゃんとそれを続けていきたいです」
7月には35歳を迎える。30代後半、そして40代……。どんな自分でありたいと考えているのだろう?
「今回の作品は共演したいと思っていた大先輩が多くて。みなさん、とってもチャーミングで、現場をすごく楽しんでいるんですよ。ある先輩は“不可能を可能にするのが俳優なんだよ”とおっしゃっていて、カッコいいなぁ〜と思いましたし。僕も先輩たちのように楽しむ気持ちを忘れず、しっかりと年を重ねていきたい。そして、やっぱり“素晴らしい世界でやれている”ということを忘れずにいたいですね」
捜しています!
城崎は刑事の職を辞し、失踪した妻を捜していく……。演じる町田に日常生活の中で現在、捜索しているものを尋ねると、
「バケットハットがなぜかなくなって。どこにあるのか、どこに置いたのか、まったく覚えてないんですよ。“たぶんあのときだろうな”という感じもまったくなく、突如としてなくなって。結構お気に入りだったからショックが大きくて。ずっと捜してはいるんですけど、ないんですよね。見つかるといいんですけど……切ないです(笑)」
取材・文/池谷百合子