JSB1000:高橋巧(Honda HRC Test Team)/2025全日本ロード PRE-TEST “Round ZERO” 来週ようやく開幕する全日本ロードレース選手権シリーズ。4月19日、20日に行われる開幕戦もてぎ2&4レースで話題のひとつとなっているのが、約5年振りとなるホンダワークスの参戦だ。ライダーは、2019年最終戦鈴鹿と同じ高橋巧だが、そのエントリー名は『Team HRC』ではなく『Honda HRC Test Team』となっており、あくまでも鈴鹿8耐に向けた実戦テストが目的となっている。
もちろんマシンセットを進めるには、鈴鹿を走った方がよいが、その機会は限られている。2022年以来、鈴鹿8耐3連勝中のTeam HRCだが、今年はスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)のチームに合わせてサスペンションをショーワからオーリンズにスイッチ。4月9日、10日に行われたPRE-TEST “Round ZERO”がシェイクダウンとなった。
初日は1本目に1分49秒426、2本目には1分48秒台にギリギリ入る1分48秒999で4番手だった。この時点では「予想していたより難しい状況でした」とコメント。サスペンションメーカーが変わったことで、足回りのセットが一からやり直しとなっていた。
2日目も1本目に1分48秒513、2本目に1分48秒469と着実にタイムを縮め、データを収集。総合4番手でPRE-TEST “Round ZERO”を終えた。
「仕上がりはまだまだですが無事にテストを終えることができてよかったです。データもいろいろ取ることができたので、この結果をもとにセットを進めて、レースウイークでさらに詰めていければいいと思っていますが、現状ではやっと赤点を抜け出したと言ったところです」
高橋自身、昨年の最終戦鈴鹿以来という久しぶりの走行となり、テスト初日は何度か転倒しそうな場面もあっただけに、まずはテストを終えてホッとしていた。
「今回は開幕戦のみですが全日本ロードに出場してくれてよかったと思っています。Team HRCは若いライダー、特にホンダ系のライダーにとっては憧れのチームですから。走る方にしてみれば、マシンをよくできるチャンスですし、少しでも話題になってくれればいいですね」
ホンダワークス仕様のCBR1000RR-R FIREBLADE SPはベースが鈴鹿8耐仕様だが、今回はスプリントレースに合わせて仕様を変更して持ち込んできた。もちろん、JSB1000で使用されているETS製カーボンニュートラル燃料にも、しっかり対応してきたのは、さすがだ。
「今回の参戦がきっかけになればいいですね。全日本ロードでも厳しい戦いをしていれば、何とかしなければいけないとなるはずですし、そこで得られるものはあるはずですから」
Team HRCの本格的な国内復帰のきっかけになり、国内のレース界を盛り上げたいという思いをにじませた高橋。「レースウイークでマシンを80%まで仕上げるのが目標ですね」と今回のもてぎ2&4レースでは、テストチームらしくマシンのセットアップが優先となっているようだが、レースでの活躍も否が応でも期待が高まるところだ。
[オートスポーツweb 2025年04月12日]