大阪万博開会式であいさつする昭和天皇。右は香淳皇后、左は上皇ご夫妻(当時・皇太子ご夫妻)=1970年3月14日、大阪府吹田市 12日の大阪・関西万博の開会式には、天皇、皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻が壇上で並んで出席された。皇室と万博の縁は深く、万博開会式への天皇の出席は昭和天皇、上皇さまに続き、3代連続。日本で開催された過去5回の国際博覧会の名誉総裁は当時皇太子だった上皇さまや天皇陛下が務めたが、今回は皇嗣の秋篠宮さまが務める。
日本で初めて開かれた1970年の大阪万博。3月の開会式には、昭和天皇が皇族方と共に出席し、「世界各国の協力を得て、人類の進歩と調和をテーマとする日本万国博覧会が開催されることは、誠に喜びに堪えません」とあいさつした。
万博会場には、当時10歳だった天皇陛下も同年4月と8月に足を運んだ。2020年の即位後初の記者会見では、還暦を前に、自身の60年を振り返る中で大阪万博に触れ、「世界との初めての触れ合いの場であったと感じております」と回想。12日の開会式でのあいさつでも、当時の米国館を訪れて「月の石」を見たことなどを「今でもよく覚えています」と述べた。
前回20年前の05年の愛知万博開会式では、在位中の上皇さまが「世界の人々が手を携えて地球の環境を良好に保つよう努力する契機となるならば誠に喜ばしい」とあいさつ。万博名誉総裁を務めた皇太子時代の天皇陛下が開幕を宣言するスイッチを押した。

大阪万博会場を見学される天皇陛下(当時・浩宮さま)。後方はエキスポタワー=1970年4月、大阪府吹田市

愛知万博開会式の会場に到着された上皇ご夫妻(当時・天皇、皇后両陛下)と天皇陛下(同・皇太子さま)=2005年3月24日、愛知県長久手町(現・長久手市)