小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)/2025MotoGP第4戦カタールGP スプリント 4月12日、2025年MotoGP第4戦カタールGP MotoGPクラスの2日目のセッションがルサイル・インターナショナル・サーキットで行われ、小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は予選で10番手を獲得し、スプリントは7位でフィニッシュした。
前日15番手に沈んだ小椋にとって、土曜日は巻き返しの1日となった。
この日最初に行われたフリー走行2回目は、気温33度、路面温度51度と金曜日よりさらに高温のコンディション。前日に「改善策はいくつか見つかっている」とコメントしていたとおり、小椋は早速このセッションから調子を上げ、計測1周目から10番手タイムを記録した。
セッション終盤まで勢いそのままに残り7分の時点で暫定5番手までポジションを上げ、他車のタイム更新もあったが再度自己ベストを刻んで9番手でチェッカーを受けた。
続けて行われた予選に小椋はQ1から出走。ここでも好調は止まらず、序盤からトップに立った。そこからタイヤ交換を挟み、各車のタイムアタックも激しさを増したが、小椋は圧巻の走りを見せトップの座を譲ることはなかった。結果的に、2番手以降は10台が0.7秒のなかにひしめく接戦となったが、小椋はその2番手に0.408秒の差をつける1分51秒104を記録して予選Q2進出を決めた。
12台で争われる予選Q2は、ほぼ全員がフロントにミディアム、リヤにソフトのタイヤを装着。小椋はコンパウンドは同じだが、唯一リヤにユーズドタイヤを選んだ。
最初のランを暫定11番手で終えると、リヤをニュータイヤに交換。セクターベストのアタックをイエローフラッグに阻まれる場面も見られたが、終盤のチャンスを逃さず1分51秒340のタイムを残し、10番グリッドを獲得した。
予選での活躍のおかげで夜のスプリントはポイント獲得が目の前に迫る好位置からのスタートとなったが、1コーナーの混雑で一時は12番手まで後退。しかし、その後は毎周のように自己ベストを更新し、3周目に前を走るフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)を攻略した。
ここで10番手集団の先頭に立つと、小椋はさらにペースアップし前の集団を捕え、7周目にヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)を、8周目にペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)をオーバーテイク。Moto2時代から小椋はレース終盤のペースに優れ、ライバルに先行されても追い上げて好成績を残す場面が多かったが、このスプリントでもその力強さを遺憾無く発揮した。
さらに小椋の勢いは止まることなく、残り2周でマーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)をかわし7番手に浮上。すぐ後ろにバニャイアが迫っていたがポジションを明け渡すことなく、そのまま7番手でフィニッシュしポイントを獲得した。
尻上がりにレース週末をまとめ上げていく小椋。その快進撃を日曜日も見せてくれるのか、決勝レースも見逃せない。
トラックハウス・MotoGPチーム 小椋藍(予選:10番手、スプリント:7位)
「今日はとても楽しかったです。特にスプリントは楽しめました。昨日から大きく前進して、FP2は昨日と比べてかなり良くなり、予選でもパフォーマンスは非常に良かったです」
「スプリントでは多くのライダーをオーバーテイクできました。前のライダーの多くはソフトのリヤタイヤに苦戦していたと思います。とにかく、スプリントでポイントを追加できたのは素晴らしいです。明日の決勝に向けて、素晴らしい11周を走ることができて、僕たちにとって今日は本当に素晴らしい日でした」
[オートスポーツweb 2025年04月13日]