コンプレッサや真空機器などさまざまな産業機器を手がけるグローバルメーカーであるアネスト岩田は、2023年からArnage RacingのメインスポンサーとしてスーパーGTに本格参入。2025年からはエントラントの権利を得て『ANEST IWATA Racing』として参戦。オオムラ・フラガと安田という速さと経験をもつコンビ、そして名門GAINERのメンテナンス、レクサスRC F GT3というパッケージで参戦している。
そんなチームの新体制緒戦となった第1戦岡山は、中高速コースを得意とするANEST IWATA RC F GT3にとって決してフィットしたコースレイアウトではなく、4月12日の公式予選では苦戦。安田がアタックを担ったにも関わらず、Q1のB組では11番手という位置となりQ2進出はならず。総合21番手で予選を終えることになった。
迎えた4月13日の決勝レースはウエットコンディション。5周目のセーフティカーラン明けからGT500クラスのアクシデントで赤旗中断になるなど荒れた展開となったが、オオムラ・フラガがスタートドライバーを務めたANEST IWATA RC F GT3は、ジワジワとポジションを上げるも決して序盤は表彰台が狙える位置ではなかった。
ANEST IWATA RC F GT3に味方したのはレース展開とコンディションの変化だ。時折雨が舞うなどなかなかドライアップせず、GT300クラスでもドライバー交代時にウエットタイヤからウエットタイヤに交代するチームが多かったが、オオムラ・フラガは難しい状況のなかで50周までピットインを遅らせた。上位陣のなかでは、グッドスマイル 初音ミク AMGがいち早く46周でスリックに替え、コースイン直後はスリッピーな状況を感じさせたものの、2分13秒から1分52秒台、さらに1分42秒台、1分39秒台と一気にラップタイムが上がっていたタイミングだった。
ここでANEST IWATA RC F GT3はオオムラ・フラガから安田に交代し、スリックを履いた。ライバルよりもピットインが1回少なかったこともあり、大きくポジションアップ。終盤、タイムペナルティを課されたLEON PYRAMID AMGの5秒以内に入ることはできなかったものの、それでも2位でフィニッシュし、アネスト岩田がスーパーGTに本格参入してから初の表彰台を獲得した。