ANEST IWATA Racing、新体制での開幕戦で『できすぎ』の2位。「持っているものをベストなタイミングと使い方で使えた」

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2025年04月13日 22:20  AUTOSPORT web

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2位を喜ぶANEST IWATA Racingのメンバー/2025スーパーGT第1戦岡山
 4月13日、岡山県の岡山国際サーキットで行われたスーパーGT第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝レースは、ウエットコンディションからドライに転じる難しい路面コンディションでのレースとなったが、GT300クラスでは21番手と後方からスタートしたイゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信組ANEST IWATA RC F GT3が展開をズバリ的中させ2位でフィニッシュ。今季からの新体制での緒戦を嬉しい表彰台で終えた。

 コンプレッサや真空機器などさまざまな産業機器を手がけるグローバルメーカーであるアネスト岩田は、2023年からArnage RacingのメインスポンサーとしてスーパーGTに本格参入。2025年からはエントラントの権利を得て『ANEST IWATA Racing』として参戦。オオムラ・フラガと安田という速さと経験をもつコンビ、そして名門GAINERのメンテナンス、レクサスRC F GT3というパッケージで参戦している。

 そんなチームの新体制緒戦となった第1戦岡山は、中高速コースを得意とするANEST IWATA RC F GT3にとって決してフィットしたコースレイアウトではなく、4月12日の公式予選では苦戦。安田がアタックを担ったにも関わらず、Q1のB組では11番手という位置となりQ2進出はならず。総合21番手で予選を終えることになった。

 迎えた4月13日の決勝レースはウエットコンディション。5周目のセーフティカーラン明けからGT500クラスのアクシデントで赤旗中断になるなど荒れた展開となったが、オオムラ・フラガがスタートドライバーを務めたANEST IWATA RC F GT3は、ジワジワとポジションを上げるも決して序盤は表彰台が狙える位置ではなかった。

 ANEST IWATA RC F GT3に味方したのはレース展開とコンディションの変化だ。時折雨が舞うなどなかなかドライアップせず、GT300クラスでもドライバー交代時にウエットタイヤからウエットタイヤに交代するチームが多かったが、オオムラ・フラガは難しい状況のなかで50周までピットインを遅らせた。上位陣のなかでは、グッドスマイル 初音ミク AMGがいち早く46周でスリックに替え、コースイン直後はスリッピーな状況を感じさせたものの、2分13秒から1分52秒台、さらに1分42秒台、1分39秒台と一気にラップタイムが上がっていたタイミングだった。

 ここでANEST IWATA RC F GT3はオオムラ・フラガから安田に交代し、スリックを履いた。ライバルよりもピットインが1回少なかったこともあり、大きくポジションアップ。終盤、タイムペナルティを課されたLEON PYRAMID AMGの5秒以内に入ることはできなかったものの、それでも2位でフィニッシュし、アネスト岩田がスーパーGTに本格参入してから初の表彰台を獲得した。

 レース後、松浦佑亮監督は好結果にホッとしたような笑顔をみせつつも「本音では『できすぎ』かなと思っています」と語った。

「この気温での岡山は決して得意とは言えませんでしたし、現実的な目標としては、Q1を通過して10位以内……というのが目標でしたね。公式テストが好調だったのであわよくば、という思いは個人的にはありました」

「ただ、公式予選のQ1が思ったようにいかず苦戦を強いられたものの、結果的にはそれが功を奏するかたちとなりました。ファーストスティントを引っ張ることができ、スリックを履いた他車の動向を見て『ここしかない!』というタイミングでピットインすることができました」

 展開に恵まれたからこその2位ではあるが、その展開を味方につけるためには、その時々でいるべき位置、あるべき道具を使っていることがスーパーGTでは重要だ。「後半でつけたスリックも、保険のようなかたちで持ってきていた4セットのうちの、良いひとつをつけることができました」と安田のスティントでポジションを落とすことなく走り切れた要因を語った。

「こんなコンディションは誰も予想していませんでしたし、準備をしていたわけではもちろんないのですが、僕たちが考えてきたなかで準備したものがうまくハマったし、持ってきていたものをベストなタイミングで、ベストな使い方をすることができた結果だと思っています」

 新体制での表彰台にチームは笑顔に包まれたが、もちろんANEST IWATA Racingが目指す先はさらに上だ。「この2位という結果はラッキーなところはありますけど、実際に公式テストを含めて、今日の結果に恥じないペースはあったと思っています。次戦の富士も楽しみですし、クルマのキャラクターが得意とする鈴鹿、SUGOなど、もう1〜2回くらいはシーズンで良いところにいけたらと思っています」と松浦監督はさらなる好結果を目指すべく意気込んだ。

[オートスポーツweb 2025年04月13日]

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