歌手で女優の酒井法子(54)と俳優中野マサアキ(47)が13日、東京・渋谷のユーロスペースで上映中の映画「北浦兄弟」(辻野正樹監督)のトークショーに出席した。
中野が大塚ヒロタ(45)とダブル主演。昨年11月にエストニアで開催された世界15大映画祭のひとつ「タリン・ブラックナイト映画祭」のクリティック・ピックス・コンペ部門で「最優秀作品賞」を受賞した。
40歳で10年にわたり、実家で父親(たかお鷹)の世話になりながらひきこもり生活を送るソウタ(中野)。ふとしたきっかけで父親を殺害してしまい、疎遠だった弟アキラ(大塚)に連絡を取り、2人で父親の遺体を始末しようとする。非日常と日常が交差するブラックコメディーテイストあふれたロードムービー。
酒井と中野は2017年(平29)に舞台「うんちゃん2」で共演して以来の仲。観客と共に客席で鑑賞した酒井は「私の大切な役者仲間の中野さんの雄姿を焼き付けました。最初にお芝居をした時はかみ合わなくて、そこがいとおしい。マチャの演技のすごさについていけませんでした。年上に見えるけど“ネエサン”と呼ばれています」と話した。
中野は「エストニアに辻野監督と行って作品賞を受賞した時は、LINEで報告しました」。酒井は「夜中に受賞を知りました。ブラックユーモアのすごい映画。それが世界に認められた。非日常だけど、もしかして日常に転がってるかもしれないリアリティーがある。マチャの駄目さ加減がすごい」と笑った。
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プロデューサーも兼ねる中野は「2020年のコロナ禍で、20年間役者をやってきて、このままできなくなるのかと思いました。やり残したことを考えたら主役をやってなかった。すごく勇気が必要だったけど、自分が言い出しっぺで主役に。男2人の物語だから兄弟がいいだろうと。この世界観は辻野監督の頭の中にありました」と振り返った。
酒井は「マチャははざまにある世界観がうまいよね。ひょうひょうとして、付き合い方を考えようと思った。殺されて捨てられたら、やだから」と笑った。
俳優として、今後やりたい役を聞かれると酒井は「マチャと同じようなロードムービーができれば。だけど、賞を取った人は違う。お顔立ちが精悍(せいかん)になって、もう一緒に芝居してもらえないかな」。中野は「やんわりと(共演を)断ってる」と笑った。
酒井は「やっぱり家族劇がいい。『寺内貫太郎一家』みたいな。役者さんて身を削るような思いをして、好きじゃないとできない。私はアイドルとしてスタートしたから違う。役者の自分で作って、愛するという生き方を尊敬しています。皆さま、愛がないとできないので、ぜひ応援してあげてください」。中野は「ぜひ1人でも多くの方に見てほしいです」と話した。
ユーロシネマは25日まで。
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◆酒井法子(さかい・のりこ)1971年(昭46)2月14日、福岡市生まれ。85年ミスヘアコロン・イメージガール・コンテストで入賞し。87年「男のコになりたい」で歌手デビュー。93年(平5)フジ「ひとつ屋根の下」。95年「星の金貨」。23年(令5)舞台「ごりょんさん〜親子三代ママ稼業〜」主演。157センチ。血液型B。
◆中野(なかの)マサアキ 1977年(昭52)9月10日、広島県生まれ。
劇団「プープージュース」座員。22年(令4)フジテレビ「元彼の遺言状」。23年映画「オジさん、劇団はじめました。」。24年NHK「虎に翼」。172センチ。血液型AB。
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