2025年F1第4戦バーレーンGP スタート 4月13日、2025年F1第4戦バーレーンGPの決勝レースが行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインで自身通算4勝目を飾った。2位にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は9位でチェッカーを受け、レッドブル移籍後初入賞を果たした。
スタートタイヤはポールシッターのピアストリを含む、20台中15台がソフトタイヤ(レッド/C3)を選択。一方で、2番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)、9番グリッドのルイス・ハミルトン(フェラーリ)を含む5台はミディアムタイヤ(イエロー/C2)をチョイスした。
日没が近づくなか、57周の決勝レースは気温27度、路面温度32度、湿度44パーセントというコンディションでスタートを迎えた。抜群の蹴り出しを見せたのは3番グリッドスタートのラッセルだった。ミディアムを履くルクレールを早々にかわすとピアストリに続く2番手に浮上する。
また、6番グリッドスタートのランド・ノリス(マクラーレン)は早々に3番手に浮上し、ラッセルを射程圏内に捉える。ただ、ノリスはグリッドボックスからはみ出す位置からのスタートだったため、5秒のタイムペナルティが下ることに。
一方、10番グリッドスタートの角田は9番手を走るミディアムタイヤのハミルトンを追う展開が続いた。しばし均衡状態が続いたが、9周目のターン4からハミルトンとカルロス・サインツ(ウイリアムズ)が激しい8番手争いを展開。ハミルトンはターン11で、角田はターン12でサインツをかわし角田は9番手に浮上する。
ソフトタイヤ勢のペースが落ちてきた11周目に3番手ノリス、5番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、7番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がピットイン。フェルスタッペンはハードタイヤ(ホワイト/C1)に履き替えるが、停車時間が4.7秒に達してしまう。
翌12周目に角田がミディアムタイヤに履き替えたが、角田の停車時間も4.2秒に。どうやらレッドブルが独自に用意しているピットシグナルにトラブルがあり、タイムロスが続く事態となったようだ。このレッドブルらしくない思わぬタイムロスで角田はジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)にアンダーカットを許してしまう。
角田は14周目にハジャーを攻略し、事実上の11番手に戻る。その後18周目、ミディアムスタートのフェラーリ勢がピットインし、2セット目のミディアムに交換。ハミルトンは角田の後ろでコース復帰したことで角田は入賞圏内の10番手の座を取り戻す。
しかし、19周目のホームストレートでハミルトンが角田をかわし、角田は再び11番手に。さらにレッドブルの苦悩は続き、20周目のターン4でアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がフェルスタッペンをパスし7番手に浮上する。
一方、首位ピアストリは21周時点で後続に4秒以上のギャップを構築してクルージング。2番手ラッセルの背後には5秒のタイムペナルティも跳ね除けてノリスが接近。さらに4番手のルクレールも2番手争いに加わるペースでの走行を続ける。
22周目、ハードタイヤのフェルスタッペンはペースが上がらず、ハミルトンにかわされ9番手に後退する。レースペースで強みを見せるハミルトンは続けてアントネッリ、エステバン・オコン(ハース)を攻略し6番手に浮上。さらにはルクレールもノリスをかわし3番手に浮上する。
27周目、フェルスタッペンはハードタイヤを15周で捨て、ミディアムタイヤに履き替える。しかし、右フロントタイヤ交換に手間取り、停車時間は6.2秒に及ぶ。まるで憑き物に囚われたかのように、レッドブルには流れが来ないように見えた。
なお、タイヤのデグラデーション(性能劣化)が厳しい状況を鑑みたアントネッリは28周目の2回目のピットでソフトを装着。早々に3ストップ作戦敢行に切り替える。
31周目、ターン1でサインツが角田に仕掛けた末に2台は僅かに接触。これでサインツが角田の前に出ることに。2台の接触で散らばったデブリを回収するべく、32周目にセーフティカー(SC)導入となり、多くの車両がここで2度目のタイヤ交換を実施した。
SC先導時点でのトップ11オーダーは、首位ピアストリ(ミディアム)、2番手ラッセル(ソフト)、3番手ルクレール(ハード)、4番手ノリス(ミディアム)、5番手ハミルトン(ハード)、6番手ガスリー(ハード/ステイ組)、7番手オコン(ハード/ステイ組)、8番手フェルスタッペン(ミディアム/ステイ組)、9番手ドゥーハン(ハード/ステイ組)、10番手サインツ(ハード)、11番手角田(ソフト)となり、タイヤ選択も大きく分かれることに。
36周目にリスタートを迎えると、角田はサインツをかわして10番手に浮上する。3番手ルクレールの蹴り出しが悪く、ノリスの猛攻を受けることになったが、ここはルクレールが死守する。ノリスは38周目にハミルトンをかわし4番手に浮上する。
ソフトタイヤの角田はタイヤのデグラデーションが来る前に先行するハードタイヤのドゥーハンを攻略するべく、自己ベストを更新する走りを見せる。しかし、角田の背後にはオリバー・ベアマン(ハース)も接近、さらにはドゥーハンのペースも悪くはなく、角田はなかなか勝負を仕掛けることができない。
45周目、ターン11で角田がドゥーハンをパスし9番手に浮上する。ハードタイヤを履いたドゥーハンだったが、ソフトの角田よりも早くタイヤの崖(極端なグリップダウン)を迎えたか、そこから一気にポジションを下げることに。
49周目、ノリスがターン1〜ターン4にかけてルクレールに仕掛けるも、ルクレールはディフェンスの最中、ターン4でノリスをコース外に追いやる動きをみせ、ノリス無線で不満を訴える。
両者の戦いは続き、52周目のターン4でノリスがルクレールをパスし、表彰台圏内に浮上する。続けてノリスは57周目のターン1でラッセルに仕掛けるが、ここはラッセルが守り切る。
そうして迎えた57周目終わり、ピアストリが15秒以上の大差でトップチェッカーを受け、今季2度目となるポール・トゥ・ウインで自身通算4勝目を飾った。2位にラッセル、3位にノリスが続いた。
以下、4位ルクレール、5位ハミルトン、6位フェルスタッペン、7位ガスリー、8位オコン、9位角田、10位ベアマンまでが入賞となった。
フェルスタッペンはファイナルラップでガスリーを攻略。角田はハース2台に挟まれるなか、9位を守り切り、レッドブル移籍後初入賞かつ、今季決勝での初ポイント獲得を果たした。
次戦となる2025年F1第5戦サウジアラビアGPは4月18日〜20日に、ジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開催される。
[オートスポーツweb 2025年04月14日]