※PostCoffeeプレスリリースより ほどよいワチャワチャとほろりと温かい作風で、舞台となる鎌倉がそよ風のように心地よい名作ドラマの続編『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)が、2025年4月14日から放送される。
中井貴一と小泉今日子のW主演はもちろん、メインキャストのひとり、坂口憲二の続投が発表され、心待ちにする視聴者をとことん楽しみにさせてくれる。
男性俳優の演技を独自視点で分析するコラムニスト・加賀谷健が、本作放送に期待を込めながら、自らも焙煎された魅力を新たに発散する坂口憲二を解説する。
◆次男役を演じる坂口憲二
3月12日、小泉今日子と中井貴一がテレビドラマ史上の名バディを組む『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)の放送決定と出演者が発表された。『最後から二番目の恋』(フジテレビ系、2012年)を第1作目とするシリーズの続編放送が決まっているだけでも歓喜だというのに、レギュラー出演者情報解禁は、ことさら話題を集めた。
『最後から二番目の恋』では、小泉演じる局勤めのドラマプロデューサー・吉野千明が、鎌倉の古民家に移住したことを発端に、隣に住む長倉家とのドタバタ交流を繰り広げた。長男・長倉和平(中井貴一)と千明との愛すべき辛口合戦をいつまでも見ていたい。
そうした持続で全編を引っ張る、ほどよい中毒性がほんと心地よかった他、長倉家の次男・長倉真平役を演じる坂口憲二の存在が、ドラマ自体に陰影ある奥行きをもたらしていた。
◆11年ぶりの連ドラレギュラー出演
誰もが欠かせない存在感でおさまる名作ドラマ新作に、坂口が続投することが発表されると、たちまちX上がわいた、わいた。坂口憲二、11年ぶりの連ドラレギュラー出演として、トレンド入りしたのである。
えっ、ほんとに11年ぶり? 2018年に難病を患い、芸能活動を休業後、2023年に『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)第5話で9年ぶりにドラマ出演した。そこからさらに2年を経て、連ドラレギュラーは『続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系、2014年)以来、ほんとうに11年ぶりだ。
そうした経緯を考えると、いわゆる月9が誇るドラマシリーズによって、坂口が本格復帰することが感慨深くもなる。長倉家の一階スペースで真平が営むカフェレストランが、みんなの憩いの場であったように、坂口が続投する『続・続・最後から二番目の恋』が、令和のドラマ視聴者を和ませる寄合所みたいになるのだろう。
◆坂口憲二にとっての奇数月という法則
3月24日には、坂口を含むメインキャストたちが海辺で楽しげなワンショットが、ポスタービジュアルとして解禁された。来月放送に向けて、今月はあざやかな宣材が小出しにされるわけだが、ここで情報解禁月に注目しておきたい。
『続・続・最後から二番目の恋』の放送枠自体が月9であることもちょっとした目配せ程度かもしれないが、坂口憲二にとっての奇数月という法則めいたものが、近年の話題性に認められる。
活動休止から5年ぶりに活動再開した2023年、手始めに3月にサントリー生ビールCMでさわやかに登場。5月に『風間公親-教場0-』出演、7月にサントリー生ビール「海のために生きる人編」、さらに9月には個人事務所「オフィスブラックツリー」設立を発表した。どうも奇数月に話題が集まるなと思ったら、2025年は『続・続・最後から二番目の恋』情報解禁がたまたま3月という。
◆焙煎されたかのような芳しい存在感
偶然に過ぎず、だからどうしたという法則性だが、本格復帰するための射程位置をコンスタントに見定めた結果ではあるかもしれない。さらにぐっとこじつけるなら、コーヒー好きが高じてオリジナルブランド「The Rising Sun Coffee」を立ち上げたのが2019年5月。
真平が営むカフェでも美味しい淹れたてコーヒーの香りが、画面から伝わってくる。11年ぶりの連ドラレギュラー出演作『続・続・最後から二番目の恋』では、自らも焙煎されたかのような芳しい存在感で、新たな物語展開とほっとひと息カフェ時間を演出してくれると想像する。
こちらもすでに解禁されている本編1分間PR動画を見ると、自宅兼カフェスペースで朝食をとる長倉家の面々が、前作、前々作と変わらず朗らかな時間を過ごしている。
基本朝食作りは真平担当だが、兄たちの朝食プレートを先に用意して自分は後から食べる真平は、必ず食卓近くのひとり席に着席する。上述したPR動画でもその位置関係は変わらない。端から食卓に向けられる坂口憲二の表情もまた新たに焙煎されたさわやかさである。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu