画像提供:マイナビニュースLIFULLは4月10日、「2025年 LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街ランキング(千葉県版)」を発表した。調査は2024年1月1日〜11月30日、LIFULL HOME'Sに掲載された賃貸物件・購入物件への問合せ数を駅別に集計した。
○都心へのアクセス良好な北西部エリアが人気
賃貸物件への問合せ数を集計した「借りて住みたい街ランキング」は、JR常磐線・東武野田線が通る「柏」がトップに輝いた。一都三県を対象とした「2025年 LIFULL HOME'S みんなが探した!借りて住みたい街ランキング(首都圏版)」では7位にランクインしている。
TOP10は「借りて住みたい街ランキング(埼玉県版)」と同様、都心の主要な駅までアクセスが良い駅が多くランクインしている。1位「柏」、6位「松戸」はJR常磐線・総武線で上野・東京方面へアクセス良好、3位「浦安」、5位「西船橋」、9位「南行徳」は東京メトロ東西線で、大手町方面へアクセス良好、2位「千葉」、4位「船橋」、8位「市川」はJR総武線で東京方面へアクセス良好など、千葉県に住みながら都内に通勤・通学する「千葉都民」のベッドタウン需要が表れた結果と言えそうだ。
7位「五井」や10位「成田」に関しては、地域産業に関わる方の需要で順位が引き上げられたと考えられる。「五井」がある市原市は全国でも屈指の工業都市として知られ、千葉県で唯一造船場があるほか、石油化学など大手企業の工場が多数ある。また「成田」でも、成田空港で働く航空関連の方の需要や、多数ある物流拠点で勤務する方の需要が一定あるなど、ビジネス需要が一定あると考えられる。
○買って住みたい街は「ちょうどいい田舎」駅が人気
購入物件への問合せ数を集計した「買って住みたい街ランキング」は、JR外房線・東金線が乗り入れる「大網」がトップとなった。一都三県を対象とした「2025年 LIFULL HOME'S みんなが探した!買って住みたい街ランキング(首都圏版)」では7位にランクインしている。
借りて住みたい街ランキング同様、都心の主要な駅までアクセスが良い駅が多くランクインしている一方、都心での住宅価格高騰などを背景に、1位「大網」、2位「八街」、5位「茂原」、7位「東金」といった「ちょうどいい田舎」駅が多数ランクインしている。共通することは、「東京」や「千葉」といった主要駅まで少し時間はかかるが通勤圏内で、住宅価格が手頃で、九十九里浜などの自然も身近にあるという点。また、コロナ禍をきっかけにテレワーク併用型の働き方が定着したことも、「ちょうどいい田舎」需要を後押ししていると考えられる。
○借りる&買うでエリアが二極化
ランキングの結果を受け、LIFULL HOME'S総研 副所長・チーフアナリストの中山登志朗氏は、以下のように分析している。
2025年の千葉県版住みたい街ランキングは、"借りて住みたい"1位が「東京」まで乗り換えなしで約35分の「柏」、"買って住みたい"1位が「東京」まで快速利用で約70分の「大網」となった。いずれも東京都心方面にダイレクトアクセスが可能だが、昨今の賃料相場および物件価格の上昇が影響して、都心からやや距離のある駅での注目度が高まる結果となった。
借りて住みたい街では、「柏」よりも都心に近い「浦安」「西船橋」「市川」などもTOP10にランクインしているが、「柏」より1.4〜2.2万円ほど賃料相場が高いため、賃料と移動にかかる時間のバランスの取れた「柏」が支持されていることがわかる。JR常磐線快速で「柏」から1駅の「松戸」も同様の要因から千葉県上位にランクインしている。
また、「千葉」「五井」「成田」など千葉県内での移動を前提とした"地元需要"も健在で、千葉市内に通勤・通学するユーザーの需要もあって、ランキングには"千葉都民"と"地元需要"の二極化の傾向が表れている。
買って住みたい街では、1位の「大網」のほか、「八街」「茂原」「東金」など首都圏郊外エリアの駅が上位にランクインしており、首都圏中心部から離れたエリアでの需要が顕在化している。これはコロナ禍で導入されたテレワーク併用型の勤務形態が完全に定着したことにより、オン・オフともに自宅で過ごす時間が増えたファミリー層が、生活コストを抑えつつ快適に生活することを選択し始めたと見ることができる。また、都心〜近郊での住宅価格高騰を受けて、都心方面にアクセスの良い「稲毛」「船橋」「津田沼」が上位にランクインしており、都内での物件購入を回避し、交通利便性の良好な千葉県内の街を選択するケースが増えている。
本ランキングはアンケート形式ではなく、実際の物件への問い合わせ数を基に集計されたものであるため、「コスパ」と「タイパ」の双方を重視したエリア選択が浮き彫りになったとも考えられる。(Yumi's life)