宮田莉朋、予選のブレーキロックが響き入賞届かず「この順位のまま終わるために来ているのではない」/FIA F2第2戦レビュー

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2025年04月15日 16:00  AUTOSPORT web

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2025年FIA F2第2戦サクヒール 宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)
 4月11〜13日にバーレーン・サクヒールで開催された2025年FIA F2第2戦。昨年は予選を5番手で終えていたサクヒール戦だけに、参戦2年目を迎えた宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)の走りには初日から注目が集まった。ただ、宮田は予選を19番手で終えることになり、2度の決勝では大幅に順位を上げるも、入賞には届かなかった。

「セクター2のパフォーマンスがテスト(3月26〜28日に同地で行われた3日間のインシーズンテスト)の段階から足りておらず、予選1セット目のアタックもチームメイトと比較してセクター2でタイム差があり、2セット目のアタックではドライビングでカバーしようとプッシュしました」と、宮田はレースウイーク後の取材で明らかにした。

 しかし、そのアタックで宮田はターン8でタイヤをブレーキロックさせてしまい、セクター2はチームメイトとの比較で0.7秒遅れることになった。

「予選後にデータを見返すと、ターン8でブレーキロックせず、安パイな走りであればトップ10に入ることも可能でした。ただ、1セット目のアタックよりもいいセクタータイムを刻みたいという思いがあり、結果的にはそのチャレンジが失敗してしまいました」と、宮田は振り返った。

 なかなかクルマのセットアップ、そしてパフォーマンスが思いどおりにならないなか、22台中19番グリッドから23周のスプリントレース(レース1/タイヤ交換義務無し)を迎えた宮田。上位グリッド勢を含む多くのドライバーがオプションタイヤ(ソフトタイヤ)を選択するなか、宮田を含む数名はプライムタイヤ(ハードタイヤ)でスタートに臨んだ。

「グリッド位置も後方となり、フィーチャーレース(レース2/タイヤ交換義務有り)に向けてプレパレーション(準備)したいという思いもあり、プライムタイヤを選択しました。もしセーフティカー(SC)が入ればオプションタイヤに変えようという作戦はチームとも決めていました」

 動きがあったのはスプリントレースも後半を迎えた16周目、マックス・エスターソン(トライデント)がターン8でマシンを止めたことに起因する2度目のSCだった。この時点で19番手につけていた宮田を含む6台がピットに滑り込み、オプションタイヤに交換。このピットストップの際にアムーリ・コルデール(ロダン・モータースポーツ)がタイムペナルティを消化したことで宮田は18番手でコースに復帰した。

 19周目、残り5周でレース再開を迎えると、タイヤの限界が近づくステイ組と交換組のポジション争いが激化。あらゆるコーナーでサイド・バイ・サイド、テール・トゥ・ノーズという一触即発のバトルが繰り広げられた。宮田は混乱をすり抜け、20周目には15番手に浮上。12番手でファイナルラップの23周目を迎えると、宮田はターン7でアレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ/マクラーレン育成)を攻略する。その直後、タイヤの限界を迎えたダンはふらつきながら宮田のリヤタイヤに接触。幸い、宮田のマシンに大事はなく、宮田は10位でチェッカーを受けることが叶った。

 また、暫定3位のジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)がレース後の車検で失格となり、宮田の最終順位は9位に。スプリントレースは8位までが入賞圏内となるため、入賞まであとひとつというところで終えた。

「あと1台抜けばポイント圏内で終えることができたレースでしたけど、やはり予選結果、グリッド位置が要因で入賞には届きませんでした。とはいえ、スプリントレースでもマシンのパフォーマンスは厳しく、できる限りのことはやり切ったという感じです」と、宮田。

 宮田の言葉のとおり、翌日のフィーチャーレースもパフォーマンス不足に悩まされる一戦となった。

「フィーチャーレースはタイヤのデグラデーション(性能劣化)が厳しくなると感じ、プライムタイヤでスタートから引っ張り、最後オプションタイヤでプッシュするという進め方が理想でしたが、インシーズンテストからオプションタイヤでのパフォーマンスが改善できず、理想の順位とはなりませんでした」

 32周のうち17周をプライムタイヤで引っ張った宮田。全車がタイヤ交換義務を終えた段階で18番手につけ、そこからジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)、ジョン・ベネット(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、セバスチャン・モントーヤ(プレマ・レーシング)らを攻略するも、思うようにライバルを攻略し続けることは叶わず、フィーチャーレースを14位で終えた。

「(2レースとも)しっかりとやれることはやり切ったという感じですが、この順位のまま終わるためにFIA F2まで来たわけではありません。とはいえ、インシーズンテストから悩んでいたパフォーマンス不足がレースウイークに大きく現れてしまったのは事実です」と、自身の心情を吐露した宮田。

「ここはチームと一緒に改善をはかり、自分自身もドライビングを含めて改善を進めます。すぐに第3戦ジェッダが開催されるので、気持ちは完全に切り替えて臨みます。ジェッダはサクヒールとは大きく異なるコース特性ですので、ARTグランプリと一緒にしっかりと挑みます」

 開幕戦メルボルンではエンジントラブルが大きな足枷となってしまい、本来のパフォーマンスを見せることが叶わなかった宮田。第2戦ではエンジントラブルは解消されるも、予選でのチャレンジ失敗が後に響く結果となった。市街地コースとなる第3戦ジェッダではどのような走りを見せるだろうか。宮田の今季初入賞の瞬間を、心待ちにしたい。

[オートスポーツweb 2025年04月15日]

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