スバル・モータースポーツUSAを運営する北米スバルが、新型モデル『WRX ARA25L』を投入 今週末にワシントン州で開催される米国ラリー協会(American Rally Association/ARA)の第3戦『Olympus Rally(オリンパス・ラリー)』にて、現地法人としてスバル・モータースポーツUSAを運営する北米スバルが、新型モデル『WRX ARA25L』を投入。エクストリームスポーツ界のレジェンドであり、同チーム不動のエースであるトラビス・パストラーナの手により、改造範囲が定められたARAの“Limited 4WD(L4WD)”クラスに参戦する。
これまでも北米大陸の国内ラリー選手権にて、最高峰の“Open 4WD(O4WD)”クラスにVB型『スバルWRXラリーカー』を参戦させてきたスバル陣営だが、このL4WDの競技車両は標準車両に比べて大幅なモディファイが許されているものの、特定のパラメータと制限事項を遵守する必要がある。
現在、ブランドン・セメナックがARAでの4連覇を狙うO4WDクラスの車両と比較して、純正のスバルWRXに限りなく近いスペックでありながら、大幅に低価格で構築可能という新型『WRX ARA25L』は、おなじみのパフォーマンスパートナーであるヴァーモント・スポーツカー(VSC)によって巧みに設計・製造が進められた。
その心臓部には、ターボチャージャーとインタークーラーを備えながら、出力狙いのEJ系ではなく量産モデル同様の2.4リッター“FA24型”ボクサーが搭載され、純正ターボチャージャーとL4WDクラスで義務付けられている33mmリストリクター、そして2.5barの最大ブースト制限を適用する。
これにより最高出力は約315PSに抑えられ、同じく460lb-ft(約624Nm)のトルクはトリプルプレートのカーボンレースクラッチを備えたXシフト社製6速シーケンシャルギヤボックスを介して路面に伝えられる。
サスペンションはR53モータースポーツ製のスプリング&ダンパーに加え、ブレーキにはブレンボ製4ピストンキャリパーと前後300mmブレーキローターを備える。15インチのO.Z.コンペティションホイールにはヨコハマ・アドバンA053ラリータイヤが装着され、純正とVSCハードウェアの組み合わせで制御される。
すでにシェイクダウンを終えたパストラーナによれば、この新型『WRX ARA25L』は「運転していて本当に楽しいクルマ」に仕上がっているという。
「オープンクラスのモデルよりもダウンフォースが少ないから、さらに楽しさが増している。まるで125ccの2ストロークエンジンのような走りで、つねにシフトチェンジと加速を繰り返しているんだ!」
[オートスポーツweb 2025年04月15日]