64歳で退職し65歳でハローワークに失業給付を申請する場合「高年齢求職者給付金」はもらえる?

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2025年04月15日 18:40  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、「高年齢求職者給付金」についての質問です。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、「高年齢求職者給付金」についての質問です。

Q:65歳になってからハローワークに雇用保険(失業給付)を申請する場合、「高年齢求職者給付金」の受給対象になりますか?

「私は2025年2月に64歳になった会社員の男性です。今年(2025年)11月いっぱいで退職し(64歳10カ月)、65歳になった2026年2月にハローワークに雇用保険(失業給付)を申請する場合、『高年齢求職者給付金』の受給対象になりますか? 離職時が64歳で、申請時が65歳になります」(匿名希望)

A:65歳未満(64歳10カ月)で退職する場合は、「高年齢求職者給付金」はもらえません。「高年齢求職者給付金」は65歳以降に退職した人が受給できる手当になります

雇用保険からの給付金である「高年齢求職者給付金」は65歳以降に退職しないともらえません。相談者は65歳未満で退職されるとのことなので「高年齢求職者給付金」はもらえません。ただし雇用保険から「基本手当(失業給付)」が支給される可能性があります。

雇用保険から給付される手当は、65歳未満で退職するか、65歳以上で退職するかによって異なります。

●退職日が65歳未満(退職日が65歳の誕生日の前々日※)までの場合にもらえる:基本手当
●退職日が65歳以降(退職日が誕生日の前日以降※)の場合にもらえる:高年齢求職者給付金

※雇用保険法における年齢の計算は誕生日の前日に、満年齢に達するものとして取り扱われるため

「基本手当」は、65歳未満で退職した場合にもらえる給付金です。働く意思がありながら失業中であり、離職日以前2年前までに、雇用保険加入期間が通算して12カ月以上ある必要があります。

一方で「高年齢求職者給付金」は、65歳以降に退職した場合にもらえる給付金です。失業中で働く意思があり、離職の日以前の1年間に通算して6カ月以上雇用保険の加入期間があればもらえます。

「基本手当」は、65歳未満の人が対象になりますが、生年月日などによって「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる人がいます。「特別支給の老齢厚生年金」をもらっている人が、ハローワークに求職の申し込みをすると、特別支給の老齢厚生年金は「基本手当」の給付が終わるまで支給停止になります。

一方で65歳以降にもらえる高年齢求職者給付金は、老齢年金と同時にもらえます。

注意点として、定年退職前に退職すると、退職金の受取額に影響することがありますので、確認してみるといいでしょう。

また、60歳以降に受け取れる給付金には、「高年齢雇用継続給付」があります。「高年齢雇用継続給付」とは、60歳到達時点に比べて、賃金が75%未満に低下した状態で働き続けている、60歳以上65歳未満の人に給付金を支給する制度です。

この「高年齢雇用継続給付」は令和7年4月1日から以下のように支給率が変わりました。

・60歳に達した日が、令和7年3月31日以前の人:賃金月額の15%(従来の支給率)を限度に支給
・60歳に達した日が、令和7年4月1日以降の人:賃金月額の10%(変更後の支給率)を限度に支給

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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