米国の金融センター・ニューヨーク(資料/AFP時事) 【ニューヨーク時事】米金融大手6社の2025年1〜3月期決算が15日、出そろった。JPモルガン・チェースなど5社が増収増益。トランプ米政権による高関税政策を背景に株の値動きが荒くなる中、相場変動を追い風に好調だった株式取引業務が、業績押し上げに寄与した。
最大手JPモルガンの純利益は9%増の146億ドル(約2兆900億円)に膨らんだ。ゴールドマン・サックスは主力のM&A(合併・買収)に関する助言業務が振るわなかったものの、株式取引収入が四半期として過去最高を更新したことで利益が押し上げられた。
モルガン・スタンレーは株式に加え、資産運用が堅調だったため大幅な増収増益。シティグループとバンク・オブ・アメリカも純利益が大きく伸びた。コスト削減が奏功したウェルズ・ファーゴは減収増益だった。
高関税政策を巡り、経営トップは相次いで懸念を表明した。JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は「経済は相当な乱気流に直面している」と分析。ゴールドマンのソロモンCEOは、双方が関税をかけ合う「貿易戦争」の激化は「米経済や世界経済に重大なリスクをもたらす」と警戒感を示した。