死後18年間気付かれず コンクリ詰め女児が「消された」手続き

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2025年04月16日 11:01  毎日新聞

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コンクリート詰めにされた岩本玲奈さんの遺体が見つかった住宅(中央)=大阪府八尾市で2025年3月1日午後1時8分、北村隆夫撮影(画像の一部を加工しています)

 大阪府八尾市の集合住宅で2月、コンクリート詰めにされた女児の遺体が見つかった。親族から暴行を振るわれて死亡した後、約18年間も亡きがらは隠されていた。


 岩本玲奈さん。6歳の頃に叔父の飯森憲幸被告(41)=傷害致死罪などで起訴=から、しつけと称して激しい暴力を振るわれたとされる。泣きじゃくり、翌朝に冷たくなっていた玲奈さんは衣装ケースに入れられ、コンクリートで固められた。


 母親とともに八尾市内の祖父宅で暮らしていた玲奈さんだが、2006年秋に被告の家に預けられた。母が家を空け、祖父も面倒をみきれないと訴えたのが理由だった。


 実はこの2年ほど前、玲奈さんは住民票が抹消され、行政や学校などの公的機関が所在をつかめない「消えた子」になっていた。


 住民票を削除したのは、市民へさまざまな住民サービスを提供する八尾市だ。


 しかし親族からのある訴えをきっかけに市は「職権消除」という手続きを進めた。


 玲奈さんは市内にいないことにされた。【斉藤朋恵、大坪菜々美】



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