※画像はイメージです新年度を迎える直前、人事担当者を悩ませる入社前逃亡。少子高齢化の進行により、売り手市場と化した就職戦線において、各企業は初任給の大幅アップを図るなど、新卒人材の確保に必死だが、そんな企業の苦労を知ってか知らずか、今年も4月に入社予定だった学生たちが内定辞退するとしったケースが続出している。
彼らはなぜ入社前なのに“逃亡”するのか。本稿では、実際に入社前逃亡した若者を取材。その声を聞いてみた。
◆内定式で知った会社のノリを断固拒否
自分の個性を重視して働きたい。そんな理由から内定辞退を決めたのは、地方国立大学の教育学部に在籍する斉藤泉さん(仮名・22歳)だ。
大学3年の3月から就活を始め、翌月には大手進学塾の内定を複数獲得していた。
「内定式があったんですが、その体育会系のノリが嫌で。役員が挨拶するときに『声が小さい!』と怒鳴られて、30分間も説教。最終的に『君たちにあるのは若さだけ。ほかには何もない』と人格否定されたのも、傷つきましたね。また、薄化粧で行ったのに、『化粧が濃い』と怒られました」
◆「SNS非公開はキツい」と若者らしさの反面、計算高さも
また、最近始めたSNSも影響をもたらしたという。
「自分が好きなものを投稿していたら、1か月でフォロワーが800人ぐらいに増えたんです。これは私に向いているかもなって。だけど塾ってこともあって、内定先の会社は『個人のSNSは原則非公開』が規則だった。個性を押し殺してまでやる仕事に価値はないと思ったので、思いきって内定辞退しました」
現在はフリーターをしながら、次年度の新卒採用に向けて動きだしているという。
「親に内定辞退したことを伝えたら、『どうやって生きていくの?』と猛反対。けど、内定辞退のメリットやデメリット、生活費や奨学金の返済計画など、パワーポイントでプレゼンしたら諦めましたね」
斉藤さんは現在、生活費のために、スナックなど3つのバイトを掛け持ちしている。
取材・文/週刊SPA!編集部
―[[入社前逃亡する若者]が急増中!]―