画像提供:マイナビニュースオープンハウスグループは4月16日、「これから家を買いたい人が住みたい駅・路線ランキング2025〜共働き子育て世帯編・関東版〜」を発表した。調査は2025年2月17日〜2月21日、関東1都3県在住で、共働きで子育て中かつ3年以内に住宅の購入を検討している20〜40代の男女697人を対象にインターネットで行われた。
○総合ランキングTOP10
総合ランキングでは、山手線の品川駅から目黒駅までのほぼ全ての駅が上位にランクインした。通勤の便もよく閑静な高級住宅街がある。周辺に商業施設が充実しており治安もよく、生活に便利な環境が整っている。東京都下の駅が上位を占める中、横浜駅が同率2位で食い込んだ。一方で、TOP10は高級住宅街でもあり、憧れ票も含まれていそうだ。
○都道府県別ランキング
東京都は山手線沿線が独占。特に品川〜渋谷間のすべての駅がランクインした。神奈川県は、JRだけではなく東急東横線沿線など、都心へのアクセスの利便性が高く乗り入れ路線の多い駅が上位となった。埼玉県の1位・2位は不動の人気の大宮と浦和駅だった。都心に直通する有楽町線・副都心線の始発駅でもある和光市駅が3位に食い込んだ。千葉県では、千葉が王道の船橋を抑え、柏と並んで1位に。今後の可能性を感じる結果となった。7位は5駅の混戦だった。
○路線ランキング
「路線ランキング」のTOP3は、関東圏在住者であれば誰もが知る主要メジャー路線がランクイン。特筆すべきは、TOP10にランクインした、武蔵野線(4位) 横浜線(6位)南武線(7位)といった主要路線のターミナル駅を繋ぐように走るバイパス路線。都心部からでは乗り換えが必須となるが、様々な主要路線のターミナル駅を利用できるメリットがあるため、購入を検討する実需票によるランクインが推察できる。
○家の最寄り駅を検討する際に重視する条件は?
将来住宅を購入する際に、環境面や金額面など、求める条件について質問した。
家の最寄り駅を検討する際に重視する条件については、「徒歩15分以内」が31.7%と2位に12.2ptもの差をつけ1位となった。一番低かったのは、「急行が止まるか」で12.1%だった。20代は他の年代より、住居費が下がることはあまり重視しないことも明らかとなった。
○居住環境で重視する項目
居住環境で重視する項目に関する調査では、3位に「教育環境」が入り、子育て世帯ならではの意向が色濃く反映された結果となった。また、共働き世帯は周辺の利便性を重視する傾向がみられた。「商業施設」の充実度も51.2%と高い割合で重視され、4位にランクインしている。20代は他の年代に比べ、住居の向きや採光、安全性より病院・クリニックの近さを気にする傾向にあることがわかった。
○家から最寄りの駅までの徒歩時間
家から最寄り駅までの徒歩時間に関する調査では、理想としては「6分〜10分未満」が最も多く35.7%を占め、さらに「3分未満」や「3分〜6分未満」も含めた10分未満の合計は69.0%だった。
一方で、妥協できると考える距離としては「10分〜15分未満」が最多で31.7%、これに「6分〜10分未満」や「3分〜6分未満」などを加えた15分未満の合計は68.6%となり、徒歩分数の境界値は15分以内だと判明した。
また、現在の徒歩分数が「10分〜15分未満」の人のうち62.2%は、徒歩分数が増えることを許容しなかった。
さらに、バス利用については妥協した場合でも4.4%に留まり、できれば避けたいという傾向が明らかになった。
○通勤における電車乗車時間
通勤における電車乗車時間は、理想も妥協も「30分以上1時間未満」が1位となった。徒歩分数の結果と本結果から、通勤時間は1時間以内に抑えたいことが伺える。
○通勤における電車の乗り換え回数
通勤における電車の乗り換え回数については、理想論では乗り換えしたくない、というのが過半数だった一方で、理想の条件でも「乗り換え1回」が36.2%を占めており、乗り換えることに関しては1回であれば許容度が高いことが判明した。都道府県別にみても同じ傾向だが、年齢別にみると、20代の方が乗り換えなしを望む割合が高い傾向にあった。
電車乗車時間と徒歩の許容を併せると、通勤時間1時間以内にしたいという思考が推察できる。
○住宅購入時の月々の支払額(住宅ローン)
住宅ローンについては、現在の家賃(住宅費)から+3万までなら月々の支払いが増えることを許容する人が25.1%。想定返済額の上限は各年代とも、過半数が月々の支払いが増えることを許容している。月々の住居費が上がることを許容する割合は、20代が他の年代を抑えて高い結果にとなった。
○これから家を買う人が注目すべき穴場駅は?
以下は、オープンハウスグループが需要動向と今回の調査結果を踏まえて、実際にこれから家を買う場合の穴場駅を都道府県別にピックアップしたものである。
○東京都で候補に入れるべき穴場駅
「赤羽駅」は、JR湘南新宿ライン・上野東京ラインを利用し、ターミナル駅の東京、新宿、品川、川崎、横浜へも1本で行くことが可能で利便性が高い。2026年から駅前再開発が着手予定となっており、今後さらに需要が高まる可能性があるとされている。また、赤羽がある北区には最低敷地面積の規制がないため、戸建ての土地をコンパクトに抑えることができ、建物を高くすることで平米数を取れるため、結果として物件価格を抑えることができる。
「東北沢」は、下北沢と代々木上原という人気駅に挟まれた駅でありながら、あまり存在感の無い駅だった。しかし、駅前の中野通りや近隣の井の頭通りにおける計画道路工事が大幅に進捗しており、今後は駅周辺や街の雰囲気が変わり、利便性が向上することで、人気が出てくる可能性があるとみられている。
「板橋」は、JR埼京線で池袋まで1駅という利便性に加え、駅前再開発により、古めかしいイメージを払拭し住みやすい街へと変化している。23区内では割と地価の上昇も少なく、まだ手の出しやすい準都心の駅とされる。
○神奈川県で候補に入れるべき穴場駅
「新綱島」は、東急新横浜線・東横線・目黒線直通にて副都心・丸の内方面に直通と都心への出やすさが抜群。2023年3月に新横浜線の新綱島駅が開業して以降、新しい商業施設やオフィス、住宅などが整備されるなど、再開発事業が進んでいる。新駅開業に伴う人口増加や経済効果により、将来性のある新興エリアとして今後さらなる発展が期待できる。
「登戸」は、JR南武線と小田急線の2路線が乗り入れしており新宿や渋谷などの都心部へのアクセスが良好。バイパス路線でもある南武線はエリア縦断ラインで神奈川県内で人気の川崎駅、武蔵小杉駅、溝の口を通る。かつ多摩地域へも行くことができ、通勤や遊びの面でも利便性が高い。また街自体も都市の利便性と自然の豊かさを両立させた、バランスの良い街に人気が集まっている。
「橋本」は相模線、京王電鉄相模原線、バイパス路線であるJR横浜線の3路線が乗り入れる利便性の高い駅。駅周辺にはミウィ橋本やアリオ橋本などの大型商業施設があり、買い物に便利な環境が整っている。JR横浜線・相模線と、京王相模原線の3つの路線が乗り入れており交通利便性の高さから都心に働く人々のベッドタウンとされている。将来的にはリニア中央新幹線の駅設置が予定されており、さらなる利便性向上が見込まれている。
○埼玉県で候補に入れるべき穴場駅
「戸田公園」は、JR埼京線で赤羽まで快速で1駅、池袋まで快速で4駅と、埼玉県内で快速が停車する東京に一番近い駅で、都心へのアクセスが良好。大型施設等がないものの、治安がよく子育て支援制度が充実している為、子育て世代に人気が出つつあるという。今後の知名度向上に伴い、さらに人気が高まる可能性があるとされる。
○千葉県で候補に入れるべき穴場駅
「新浦安」は東京ディズニーリゾート最寄り駅として有名だが、東京駅まで約15分で都心への通勤や通学にも便利な駅とされている。海沿いの風景や遊歩道を楽しむことができるため、私生活をゆっくりと過ごしたい人におすすめの駅だという。
「海浜幕張」は、三井アウトレットパーク幕張やイオンモール幕張新都心など商業施設が充実しており、生活の利便性が高い街とされる。さらに、ドローンや自動運転モビリティなどの未来技術の実証実験を行うなど、さらなる街の利便性向上に向けた取組みも進んでいる。街並みはきれいで清潔感があり、治安も良好とされ、今後の発展性に期待が寄せられている。(Yumi's life)