角田裕毅のマネージャーを務めるディエゴ・メンチャカ 今年、角田裕毅(レッドブル)を取材して感じることは、『守られている感』をとても強く感じることだ。もちろん、その中心には、今年から新しく角田のマネージャーとなったディエゴ・メンチャカの存在がある。
「彼はドライバーの経験があるので、僕が苦しいシチュエーションに陥ったときに、(ドライバー目線で)いろいろとアドバイスしてくれることを期待している」と角田が採用した理由を語っているように、1994年生まれの30歳のメンチャカは、8歳でカートを始めると、2017年にはワールドシリーズby ルノーに参戦するなど、プロのレーシングドライバーとして腕を磨いていった。2018年にはカンポス・レーシングからGP3(現在のFIA F3)に挑戦。2019年からはGT3やLMP2クラスでレース活動を行いつつ、若手ドライバーのマネージメント活動も開始していた。
そんなメンチャカに白羽の矢を立てたのが、角田の弁護士だった。昨年のアブダビGPに自身がマネージャーを務めるノア・ストロムステッドをFIA F3で走らせるための交渉に訪れていたメンチャカは、角田の弁護士から「直接、会って話がしたい」という連絡を受けた。アブダビGP後に直接角田と話をしたメンチャカは、角田の誠実さに心を打たれ、マネージャーになることを決断した。
角田は言う。
「僕へのアドバイスだけでなく、問題がチームにあるときは僕に代わってチームと話をしてくれることも期待しています。また、今シーズンだけでなく、来シーズン以降も僕は走り続けたいので、そういった部分でもいい条件で乗れるよう道を作ってくれることを期待しています」
第4戦バーレーンGPでは、金曜日のフリー走行で角田とレースエンジニアのリチャード・ウッドとのコミュニケーションがうまくいかない場面があった。するとメンチャカは角田とウッドによる緊急ミーティングの場を設け、早期解決を図るなど、迅速に対応していた。ウッドとのコミュニケーションだけでなく、トレーナーのジョン・ヌーナンやレッドブルの広報とも密にコンタクトする姿は、F1ドライバーのマネージャー1年目とは思えないほど精力的だ。
メンチャカは言う。
「私の夢はユウキをできる限り長くF1の世界で戦わせること」
そして、こう続けた。
「実は私もまだ現役のレーシングドライバーなんだ」
今年のスパ24時間レースに参加予定だとメンチャカは言うが、今年のスパ24時間レースはF1のオーストリアGPと同じ週末の6月28日と29日に開催予定となっている。レッドブルの地元オーストリアでメンチャカの存在はいつも以上に重要になってくるだろう。
[オートスポーツweb 2025年04月18日]