
(左から)副島一也さん、笹川友里
副島一也さんは1991年に日本アイ・ビー・エムに入社。1998年より、イギリスにて災害対策や危機管理などのコンサルティングをおこなうNewton ITの立ち上げに参加し、取締役を経て代表取締役に就任します。2006年に現在のニュートン・コンサルティングを日本で設立し、代表取締役に就任。イギリスで培ったリスクマネジメントのノウハウを日本で展開しています。また、危機管理分野における第一人者として、多くの講演実績を持ちます。
◆夫婦・家族間でも役立つ“リスクマネジメント”
前回の放送で、リスクを一言で表すと“成功や幸せを妨げる可能性があるもの”であるとし、「そのリスクをコントロールすることをリスクマネジメントと呼んでいます」と話した副島さん。この考え方は企業経営に限らず、私たちの生活のさまざまな場面に応用できると言います。
企業においては、リスクマネジメントが経営戦略の一部として重視される一方で、個人や家庭レベルになると、実際に取り組まれているケースはまだ少ないのが現状だと言い、「例えば、夫婦・家族間の関係は(企業よりも)脆弱性が大きく、日本においては3組に1組が破綻しているデータがあります。でも、リスクマネジメントはしていません」と言及。
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副島さん自身も、日本で単身赴任をしながらイギリスに暮らす家族とともに“幸せな家庭のかたち”について見直す機会を設けたと言い、「ある日、家族でリスクマネジメント会議をおこない、自己紹介から始めて、自分がどういう環境にいて何を目指しているのか、どんなリスクがあってどんな協力ができるのか……みたいなことを話しました。普段はそんな話をしませんから“こんなことを考えていたんだ”“(子どもたちに対して)こんな手助けをしたらいいんだな”ということが分かりましたし、私がどんな仕事をしているのか興味を持って聞いてくれました」と回顧。これに笹川は、「素晴らしい話! 家族も企業も正面から話すことが大事ですね」と賛同します。
◆デジタルと人間が共存していくために…
続いて、デジタル化が急速に進む現代社会において、「これから、私たちのライフスタイルや働き方がどんどん変わっていくと思いますが、副島さんからどんな将来が見えていますか?」と笹川が質問をぶつけると、副島さんは「生き方、働き方の自由度と言いますか、選択肢がもっと増えていくと思います」とキッパリ。
その例として、コロナ禍を経てデジタル化が進んだことにより、多くの企業は社員同士が物理的に離れていても進捗状況を可視化できる体制を整えてきたことを挙げ、「そうなると、より多様な働き方が可能になり、子育て中の方が働きやすくなったりと、すごくいい環境ができてきたと思います」と語ります。
一方、技術が進んだことで、人間の手でおこなっていた業務をAIで代替できるようになるなど、ビジネスの付加価値の基準を見直さなければならないとし、「人がおこなう仕事で付加価値の高いものを見つけていかないと生き残っていけなくなります」と断言します。とはいえ、AIやITシステムが常に期待通りに動作するとは限らない、という新たなリスクも増加していると指摘します。
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次回4月19日(土)の放送は、株式会社ニチレイ執行役員情報戦略部長の坂口譲司(さかぐち・じょうじ)さんをゲストに迎えてお届けします。坂口さんが中心になって取り組むDXについてなど、貴重な話が聴けるかも!?
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4月12日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年4月20日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
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