19日放送『住人十色 』より=擁壁の上に建つ家。外壁からは合計15本の梁が飛び出ている(C)MBS 俳優の駿河太郎、三船美佳がMCを務める、MBSテレビ『住人十色〜家の数だけある、家族のカタチ〜』(毎週土曜 後5:00 ※関西ローカル)の19日放送回では「擁壁・旗竿・変形地…三重苦を乗り越えた空中縁側ハウス」が登場する。
【番組カット】一面芝生が敷き詰められた約90帖分の広い草屋根
舞台は神奈川県横浜市。住人(アルジ)は、会社員の夫妻と子どもの3人家族。1年前に構えた念願の新居は、なぜか外壁から合計15本の梁(はり)が飛び出ている。しかも家が建つのは、3メートルもある「擁壁(ようへき)」の上。加えて敷地は、道路に接する間口が狭く奥に敷地が広がる旗のような形をしている「旗竿地」。しかも旗部分も四角形ではなく、台形をしている「変形地」だ。
住宅に囲まれた旗竿地は暗いイメージがあるが、家の中に入ると22帖の明るいリビングダイニングキッチンが広がる。そしてキッチンの向かいに「空中縁側」がある。目の前が小学校の校庭なので、縁側からは、旗竿地とは思えない視線が抜けた抜群の眺望が広がる。
東京都内の賃貸マンションで暮らしていたアルジ夫妻は、子宝に恵まれたのを機にマイホームを計画した。「縁側がある家」という妻の理想を求めて土地を探したが、予算と折り合いがつかず難航。最後の候補として見つかったのは、通勤圏内の横浜にあった擁壁のある変形の旗竿地。図面で見ると、まさに三重苦だったが、実際に足を運んでみた夫妻は景色に一目惚れ。しかも、擁壁を含む縁石の先まで、敷地に含まれていたため、擁壁の斜面上も建築可能範囲だった。そこで敷地ギリギリまで梁をせり出し、宙に浮く形で縁側を作った。
空中縁側は外側の建具を閉めることができるため、人の目を気にせずくつろいだり、プール遊びや散髪、ゴルフのパター練習もできる。中でも妻お気に入りの使い方が、向かいの小学校の運動会の応援だとか。
6帖の広々とした対面キッチンは、長さ3.6メートル、奥行き80センチの大きなカウンターを特注した。前面はすべて収納スペースで、縁側がある開口部には、物を置けないため、文房具や書類などキッチン用品以外も収納している。
4.5帖のリビングにはプロジェクターを設置。真っ白の壁をスクリーンにし、家族がくつろげる空間になっている。存在感のあるソファーはフランスのリーン・ロゼ社の「ロゼトーゴ」。世界中にファンがいる人気モデルはウレタン製の軽さも魅力で、縁側にも持ち運んで使っている。
三重苦を乗り越え、手に入れた縁側と眺望。実際に生活してみて、妻は「最高です」と満足な様子。夫も、今後も梁を活用して使い方が広がりそうな家に「住んでからも、まだ“家をこうしたい”みたいに考えられるのはすごい幸せだなと思いますね」と語る。