妥協しても駅徒歩15分未満という結果に オープンハウスグループは、関東1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に居住していて、これから3年以内に家を買いたい共働き子育て世帯を対象にインターネット上でアンケートを行い、住まいに関する独自調査「これから家を買いたい人が住みたい駅・路線ランキング2025〜共働き子育て世帯編・関東版〜」として発表した。前回の駅・路線ランキングに続き、同調査から浮かび上がった今どきの家選びのニーズを紹介する。
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https://www.bcnretail.com/market/detail/20250411_508725.html
●共働きだから駅近は譲れない 妥協しても駅徒歩15分以内
住宅購入に際して最も重視することについて、「環境」「金額」の両方で質問し、共働き子育て世帯の家選びの条件としてまとめた。「駅距離をはじめとする最寄り駅の条件」については「最寄り駅から徒歩15分以内」が31.7%でトップ、「居住環境で重視する要素」では「土地の地形・形状」「住居の向き・採光状況」に続き、3位に「教育環境」、4位に「商業施設」が続いた。
なお、居住環境に求める条件の順位は年代によって差があり、「教育環境」は20代では2位、30代・40代では3位、「病院・クリニック」は20代では4位、30代では6位、40代では7位と、若い世代ほど教育や医療環境を重視する傾向があると分かった。
「居住設備で重視する項目」については「耐震性・耐火性」がトップ。「断熱性・気密性」「耐久性・メンテナンス性」「防犯性・安全性」「住宅設備(キッチン・洗面・浴室・トイレ)」と続いた。なお、断熱性はリフォームによって後から高めることが可能だ。
家から最寄り駅までの所要時間について聞くと、理想は「6〜10分未満」が最多となったが、妥協できる範囲では「10〜15分未満」がトップだった。また、「15分未満」の割合は68.6%とほぼ7割に達した。
また、通勤における電車の所要時間を聞くと、理想・妥協ともに「30分以上1時間未満」が最多だったが、割合は「理想」の31.7%から「妥協」は29.1%に下がり、「1時間以上1時間15分未満」が20.2%に上昇した。オープンハウスグループは、今回の調査結果をもとに「通勤は1時間半が限界か」と分析している。なお、理想・妥協ともに「電車を利用しない」と回答した約5%は自動車・自転車通勤者の可能性が高い。
さらに通勤における乗り換え回数をたずねると、理想では「乗り換えなし(0回)」が50.2%を占め、妥協でも「乗り換えなし(0回)」は25.8%に達した。「乗り換え3回以上」は妥協でも4.3%にとどまり、住まい選びに際して、待ち時間が発生しやすい電車の乗り換えが忌避される傾向があるとうかがえる。
通常、新築マンションや戸建住宅は住宅ローンを組んで購入する。土地に家を建築する注文住宅でも建物の建築費は住宅ローンを利用することが多い。そこで住宅ローンの毎月の返済額を聞くと、理想・支払える上限とも「現在の家賃と同じ」「現在の家賃より安い」「現在の家賃プラス3万円未満」が上位に並び、上限では「現在の家賃と同じ」(28.0%)、「現在の家賃プラス3万円未満」(25.1%)と続いた。
今回の調査結果をもとに、オープンハウスグループは「家選びは何よりも徒歩分数(80メートルを徒歩1分とする指標)を重視する意識が高まっており、境界値は15分未満。電車通勤時に求める条件は、最長でも乗車時間1時間、徒歩15分の合計1時間15分(乗り換え1回まで)。この条件を満たし、現在の家賃プラス3万円以内なら購入検討物件になる」と結論づけた。
同調査は、首都圏在住の共働きで子育て中の20〜40代の男女697人に対して、2025年2月17日〜2月21日に実施した。