ASKA、NHK『tiny desk concerts JAPAN』で“原点”に立ち返る 完全生歌で放たれた、圧倒的な歌声

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2025年04月22日 17:00  ORICON NEWS

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『tiny desk concerts JAPAN』シーズン2の初回放送に登場するASKA (C)NHK
 歌手のASKAが、NHKによる音楽番組『tiny desk concerts JAPAN』シーズン2の初回アーティストとして登場する。放送は28日にNHK総合、27日・28日にはNHKワールドJAPANでも放送される。 

【画像】オフィスに響く圧倒的な歌声…名曲の数々を“生歌”で熱唱するASKA

 米のラジオ局「NPR」による人気企画の日本版として昨年スタートした同番組は、NHKのオフィスの一角で撮影が行われる音楽番組で、これまで藤井風やB'zの稲葉浩志などのアーティストが出演してきた。

 ASKAの登場回は、14日に収録が行われ、これまでと同様にNHKのオフィスの一角にて、200人のスタッフを前にライブパフォーマンスが披露された。拍手に包まれて登場したASKAは、「NHKのみなさんの前で歌わせていただくなんて、ぶったまげた設定だよねぇ」と苦笑しながらも、椅子に座り落ち着いた様子でライブをスタートさせた。

 今回は、ASKAが信頼を寄せるメンバー(ギター×2、ベース、ドラム、キーボード、コーラス×2、バイオリン、サックス)がバックバンドを務め、まるでオーケストラのような繊細な演奏を聴かせた。ギターやベースには小さなアンプが用意されていたが、ASKAのボーカルにはスピーカーもモニターも一切なし。“完全な生歌”でのライブとなった。

 1曲目は「はじまりはいつも雨」。1曲目ということもあり、ASKAは目を閉じ、バンドの演奏と自身の声のバランスを丁寧に整えるように歌い上げる。ボリュームを抑えて歌う場面でも、身体全体の振動から生まれるような深みのある歌声が会場に響きわたり、ボーカリストとしての圧倒的な実力を改めて示した。

 続いて披露されたのは、「どうしてもやりたかった」というCHAGE and ASKAの名曲「SAY YES」。歪んだギターと鍵盤が奏でるイントロが始まると、会場から歓声が上がる。サプライズ的にワンコーラスのみの披露だったが、その贅沢な一瞬に観客は魅了された。ASKAものちに「ちゃんとやればよかったね」と振り返るほど印象的な場面だった。

 「僕はこの瞳で嘘をつく」は、ジャズ風かつマイナー調にアレンジされ、クールな雰囲気が漂うパフォーマンスに。ASKAはアコースティックギターを奏でながら、グルーヴを噛みしめるように歌い進め、NPRの『tiny desk concerts』を思わせるような洗練されたムードが漂った。

 会場が温まりきったタイミングで、急きょセットリストに加えられた「太陽と埃の中で」が披露された。「このシチュエーションにあわせて選んだ」というASKAの言葉通り、サビでは客席からも自然と歌声があがり、この日一番の盛り上がりとなった。

 ライブ中盤には、リラックスした雰囲気のなか、メンバーと即興で楽曲を作り上げる一幕も。ASKAはその場で美しいメロディを口ずさみながら、「サビにいこう」「エンディングにいこう」とバンドに指示を出し、ワンコーラスをあっという間に完成させてしまった。音楽をピュアに楽しんでいるASKAの姿が印象的で、観客からも自然と笑みがこぼれた。

 そしてラストは「PRIDE」。歌唱前に「デビューから46年間、いろんな刺激があって、それを今でも求めてる」と語ったASKAは、サビでは左胸を叩くようにしながら一語一語に想いを乗せるように歌い上げ、力強く情熱的な歌声で締めくくった。

 ライブ後のインタビューでは、「演奏する環境については事前に聞いていたはずなんだけど、リハーサルで“ちょっと違うぞ”、本番では“さらに違うぞ”になって。でも長年、音楽をやっていると対応もできるもので、楽しめました」と振り返り、完全な生声でのパフォーマンスについては、「大学時代、掘っ立て小屋で練習していた頃を思い出した。原点ですよね」と語った。

 セットリストについては「(制作サイドからの)リクエストもあった」としつつ、「昔は1990年代の曲を歌うことに抵抗があったけど、最近はその抵抗がなくなった」と心境の変化を明かした。

 その背景には、「1990年代の楽曲のキーに、今また声が届くようになった」という実感があるという。年齢を重ねるにつれて音域が下がるのが一般的だが、「何が起こったのか、また戻ったんですよ」と語るASKAは、当時と同じキーで歌えるようになったからこそ、過去の楽曲にも向き合えるようになったと話した。

 国際放送で世界のおよそ160の国と地域に届けられることについては、「以前は海外での公演は“海外進出”と捉えていたけど、今は海外で暮らす日本人の方々に向かって“こんにちは”と声をかけるような気持ちで臨んでいる」と述べ、今回の収録もその延長線上にある貴重な機会だったと振り返った。

 同番組については「正直、最初は知らなかったけど、実際に参加してみてステージのサイズ感も雰囲気もすごく良かった。NHKのスタッフのみなさんが盛り上げてくれて、とても楽しく歌えた」と、温かい笑顔を見せた。

■放送予定
4月28日(月) 前0:25〜前0:54(※日曜深夜) <NHK総合>
4月27日(日) 前11:10〜前11:39、後7:10〜後7:39 <NHKワールド JAPAN>
4月28日(月) 前0:10〜前0:39、前6:10〜前6:39 <NHKワールド JAPAN>

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