ラリー・イスラス・カナリアスの舞台となるターマックのステージ 4月24日(木)から27日(日)にかけてスペインのカナリア諸島で開催される2025年WRC世界ラリー選手権第4戦『ラリー・イスラス・カナリアス』。これまでスペイン国内ラリー選手権や、ERCヨーロッパ・ラリー選手権の一戦として行われてきたこの大会は、49回目となる今回が初のWRCイベントとしての開催となる。
今季初の純粋なフルターマックイベントとしても注目されるラリー・イスラス・カナリアスを前に、各陣営よりドライバーたちのコメントが届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)
「グラン・カナリア島が本当に楽しみだ! 昨年のターマックでは今回のように、非常に硬いマシンや、広い道路、高いグリップを備えた本格的なレースのようなイベントが実際にはなかったので、これらの道路でマシンを最大限にプッシュすることに興奮している」
「選手権にはさまざまなイベントがあり、たとえば氷に覆われたモンテのステージからスウェーデン、そしてケニアへと続くが、今回は2025年の最初の完全なターマックイベントになる」
「完璧なペースノートが必要だ。ステージに出るのを楽しみにしている。天気が良くなることを祈っているよ!」
●ジョシュ・マッカーリーン(#55 フォード・プーマ・ラリー1)
「ラリー1マシンがターマックの路面でどのようなパフォーマンスを発揮できるかということを、モンテカルロで初めて体験したが、ラリー・イスラス・カナリアスはそれとは違って、本格的な滑らかなターマックだ」
「今週末の目標は、これらのマシンが生み出すダウンフォースやグリップを心から信頼し、モンテで学んだことを基に経験を積み重ねていくことだ。これらの道路では精度とコミットメントが求められるが、僕は挑戦を楽しみにしているよ」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#1 ヒョンデi20 Nラリー1)
「前回ラリー・イスラス・カナリアスに出たのがいつだったか思い出すのは難しいが、間違いなく楽しいラリーだった。今ではルートの多くの部分で改修と再舗装が行われ、道幅も広げられたので、2010年と2011年の経験を週末に活かせることはあまりないと思う」
「最近参加したテストイベントでは、グリップ、精度、パフォーマンスがうまく組み合わさっていたので、ターマックでのマシンの快適性が増していると感じている。サファリ・ラリー・ケニアでは素晴らしい結果が出たが、それでも厳しいイベントだったし、おそらく今年もっとも挑戦的なイベントのひとつだった」
「このイベントに必要な勢いは充分にあると思うし、マシンには必要なものがすべて揃っているので、良いパフォーマンスを発揮できると思う。もちろん、僕たちは勝利を狙っている。選手権での差を縮めるには、(エルフィン・)エバンスに勝つ必要がある」
●オィット・タナック(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)
「まったく新しいイベントは、僕たちにとってこれまでとは異なる種類の挑戦だ。決して簡単でも単純でもない。ラリー・イスラス・カナリアスも例外ではない。僕たちはこのラリーの経験がないので、これからも道路を理解しながら最高のパフォーマンスを模索していく」
「ラリーは、サーキットレースに近いものになる。これは、今年のなかでもうまくやるのがもっとも難しいターマックラウンドになるだろう。タイヤを急速に劣化させることなく、流れるような滑らかな路面を良い感触で走れるように、マシンのセットアップとバランスをしっかり整える必要がある」
「僕たちはグラン・カナリア島に行き、トップ争いをして表彰台フィニッシュを目指すよ。ラリーでは、どうなるか予測するのはいつも難しいことだが、僕たちは競争力をつけるために全力を尽くしていく」
●アドリアン・フルモー(#16 ヒョンデi20 Nラリー1)
「2020年にイスラス・カナリアス・ラリーに出場したので、一部のステージは僕にとってかなり馴染みのあるものになるだろう。ドライとウエット両方のグリップがどのようなものになるか僕はわかっているので、あらゆる可能性に備えておくことができる」
「このイベントは純粋なターマックラリーなので、ペースノート、ステージ上のライン、タイヤマネジメントなど、すべてにおいて正確さが求められる。この路面ではまったく違う。すべてが速くなり、いかなるタイヤのステアリング調整もすぐに感じることができるので、反応がとてもよい」
「グラベルからターマックに移行すると、まったく別のマシンをドライブしているような感覚になるし、受けるGフォースもかなり大きくなる。目標は、できる限り良い結果を出すことだ。表彰台に戻りたいし、さらに一歩先に進みたいと思っている」
■TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「今シーズンの開幕から良いラリーが続いているが、私のアプローチは何も変わらない。ただ良い戦いをし、可能な限りのベストな結果を目指すだけだ。このラリーのステージの特性としては、全体的に非常にクリーンであり、ツイスティなコースが予想される」
「近年のWRCのターマックラリーは、ダーティな路面のコースが多かったため、このような本格的なレーシングスタイルのコースでのラリーを走る機会を失っていた。コーナーのカットがほとんどないため、ステージの出走順は大きな影響を与えない」
「そのため、出走順トップで走ることの優位性はほとんどないと考えられる。おそらく全員が同じようなコンディションで走行することになり、公平な戦いになるだろう」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「これまで出場してきた他のターマックラリーとは大きく異なる、新しいターマックラリーに出ることに興奮している。ERCとして開催された過去のイベントの映像を見る限りでは、安定したコンディションの非常に良いラリーであり、思い切り楽しむことができそうだ」
「このような初めて走る道で、新しいペースノートを作成するのは、間違いなく大きな挑戦になるだろうし、速く走るためにはすべてにおいて正確さが求められる。先週のスペインでのテストでは確実に進歩することができ、ターマックでのフィーリングも向上した。自分たちにとってはトリッキーなラリーが何戦か続いていたため、状況を好転させて良い結果を出したいと考えている」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「新しいラリーに出場するのは、いつだって心躍るものだ。誰も道を知らない状態から仕事をスタートしなくてはならないというのは、ラリーの本質とも言える。すべてのステージを新たに探索することになるレッキは非常に大変であり、良いペースノートを作成することが、このラリーで速く走るための鍵となる」
「ただし、過去にはこのような状況が私に合っていたため、今回もうまく対応し、上位争いに加われるよう努めたいと考えている。ステージは非常に美しく見えるが、大西洋の島であるため、天候が急変する可能性もある。グリップの高いサーキットスタイルのステージに戻れることを楽しみにしており、優勝争いに加われるよう尽力するつもりだ」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「他のドライバーから聞いたところ、ラリー・イスラス・カナリアスはもっとも素晴らしいターマックラリーのひとつということなので、本当に楽しみです。コーナーのカットや路面のダートがほとんどない純粋なターマックラリーなので、クルマの最大パフォーマンスと空力性能を存分に発揮し、走りを思い切り楽しむことができそうです」
「自分の過去のサーキットレースでの経験を思い出させるようなコンディションなので、それが良いパフォーマンスを発揮する助けとなることを願っています。また、今回のラリーでも新しいタイヤを使うことになるため、ステージでどのようなパフォーマンスを発揮するのか確認し、できるだけうまく適応していく必要があります」
■TGR-WRT2
●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ケニアからカナリア諸島へと舞台が移ることは、チャンピオンシップ内の2つのラリー間でもっともコントラストが大きく変化する状況だと思う。自分は4年前にラリー4車両でこのラリーに出場した経験があり、とても気に入った。サーキットレースにもっとも近いラリーのひとつであり、とくにいくつかのステージは道幅が広く、路面が非常にクリーンであり、コーナーをカットする場所が少ないのが特徴だ」
「先週のテストでは、ドライとウエットの両方のコンディションで走ることができ、クルマに良いフィーリングを感じることができた。ケニアでは問題が発生しないように走ることが鍵となり、それが結果へと結びついた。しかし、ここでは大きな問題が起こる可能性が低いため、自分たちにとって楽しいラリーになることを願っている」
[オートスポーツweb 2025年04月23日]