剛力彩芽が舞台「熱海五郎一座 黄昏のリストランテ」に出演「身を委ねて安心しきっています」

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2025年04月24日 05:01  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

さまざまな役柄を演じ分け、多岐にわたる活躍を続ける剛力彩芽(撮影・足立雅史)

女優剛力彩芽(32)が東京・新橋演舞場の舞台「熱海五郎一座 黄昏のリストランテ〜復讐はラストオーダーのあとで〜」(6月2〜27日)で農林水産省の役人のヒロインを演じる。食をテーマにしたコメディーだ。


「最初は農林水産省の役人とだけ決まって、内容が分かりませんでした。ダブルヒロインの羽田美智子さん、座長の三宅裕司さんもレストランのシェフで、私は食材とかレストランのいろんなことに携わるらしいとだけ(笑い)。あと私はIQは高いけど、笑いのツボは浅いらしいです」


三宅、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博、深沢邦之と、おなじみの顔触れはおじさんばかり。一番若い東で55歳だ。おじさんが集団で笑かしにかかってくる。


「そこだけは、ずっと冷静な精神を持って立ち向かいたいと思います。皆さん、初共演ですが、もう全て身を委ねて安心しきっています。三宅さんは常に面白いことを考えてワクワクしている感じ。もうすぐ74歳なんて信じられない、お元気ですよね。だけど、こんなに先輩しかいない現場もなかなかないですね。でも、おじさま大好きですから、おじさんの品評会みたいなのは大歓迎です」


コメディーは「見るのも、やるのも大好きです」と笑顔を見せる。


「舞台って根を詰めてやって、終わって、しばらくボーッとしてと、すごく大変なんですけどね。以前の舞台でセリフをかみ倒したことがあったんですけど、それはそれで舞台の面白さだって言ってくれる人がいる。もちろんかむことは前提じゃないけど、ある意味、味になる。コミュニケーションが取れてないと、フォローし合えない。そこが魅力です」


小学4年の時に「国民的美少女コンテスト」を受けて落ちた。それでも、主催するオスカープロモーションからスカウトされた。


「2次予選で落ちたんですけど、その時にマネジャーに声をかけてもらいました。最初はモデルから始めました。モデルと女優の仕事は、別と言えば別かな。役者はもう、役で本当に違う人になりきる。モデルだとその洋服だったりとか、商品とか商材というものを剛力彩芽としていかにして伝えるか、みたいなところがある。表現するという意味では一緒だと思うんですけど、その手法が違う」


モデルの仕事をこなしながら、女優へと歩んできた。


「中学2年の時にお芝居のレッスンを始めました。最初は、すごく恥ずかしかった。人前で大声を出すのを恥ずかしいと思ったんですけど、すぐに慣れて楽しいなと思いました。どういう芝居で、いかに伝えるか。特に怒る芝居とは難しい。普段の私はワーッて怒ったり、怒鳴ったりとかはしない。自分が持ってない感情を、いかに出すかというのは面白い感覚だなと思いました。楽しさの方が、あっという間に勝って、最初にドラマが決まった時はでもうれしかったですね」


デビュー以来18年間、所属していた事務所から20年に独立。個人事務所「ショートカット」の社長として5年がすぎた。


「あっという間に時がたちますね。それまでは事務所が選んでくれたものをやるというのがベースでした。そういう意味では、今は全く違う。今はオファーが来た全ての話に自分で目を通して、マネジャーと一緒に話をして決めるという感じです。改めて5年というのを聞いて、役者として、剛力彩芽として、こういうふうに見せていきたいというのを明確にしたい。作品選びにしても、より細かくやって行きたいと思っています」


昨年、Netflixの配信ドラマ「極悪女王」でプロレスラー、ライオネス飛鳥役を演じた。


「オーディションの話をいただいて、ちょうどそれが独立したタイミングでした。撮影期間中に30歳になるので、20代の最後と30代の初めに今までやったことのないことにチャレンジしたいと思っていました。話を聞いた時に『あっ、これだ』って直感的に思いました。体重を10キロ増やしました。ちゃんと筋肉があって、でもプロレスラーって受け身があるので脂肪もないと痛い。バランスよく増量するというのは、すごく難しいことなんだなって思いました」


細身な体形で、モデル出身の女優。そのイメージを覆すプロレスラー役だった。


「ありがたいことに、飛鳥さんの現役当時を見ていた世代の方に声をかけていただきました。現役時代のリアルを知ってる方に『飛鳥さんにしか見えなかった』と。プロレスは全く見たことなかったし、ちょっと怖いぐらいに思ってたんです。でも本当にプロレスというものの奥の深さと、最高のエンターテインメンだという言葉が分かる気がしました。お芝居に対しても勉強になったし、シンプルにプロレスにはまりました。女子プロレスは見ています。タイミングが合えば、長与千種さんのマーベラスさんの試合は行きたいなと思ってますし、ダンプ松本さんの『極悪祭』も行きました」


本名でもある「剛力」という名字は、日本全国で12世帯しかない。


「静岡が発祥らしいんですけどね。剛力っていう名前は途絶えさせたくないんですけど、2人姉妹で姉は結婚して名字が変わってる。私も結婚したら変わる可能性がある。まあ、芸能人剛力彩芽としては残るのでね。1回で覚えてもらえる名前で、しかも難しくないんで読めるだろうし、書ける字だし、そこがすごいラッキーだなと思いました」


20代で独立して、30代になって充実の時を迎えている。


「仕事は全部好き。やれる時に全部やりたい。今はあまり休みがないけど、30代になってからちゃんと休みが欲しいという感情が出て来るようになりました。20代の時は、休みなんか1日もなくても平気なぐらい、がむしゃらだったんですけどね。でも、30代になってちゃんと休むって大事だなって。体もですけど、ちゃんと休むことでモチベーションだったり、自分のそのポテンシャルを保っていける」


今年8月に33歳になる。


「休みの日は姪っ子に会いに行きます。姉の子が2歳で、今はイヤイヤ期なんですけど、かわいくてたまんないですよね。もう究極の癒やしです。結婚のことも、もちろん考えますよ。同級生はかなり結婚してるし、姉に子供ができてリアルになりました。今の私にできるかな、というのをすごく考える。もちろん仕事も好きだし、いろいろやっていきたい中で、結婚してとか、子供ができるとかを考えます。前は妄想みたいなものだったけど、すごくリアルに考えられるようになりました。うちは家族がすごく仲が良いので、そういう剛力家みたいな家庭を築ける人に出会えたらうれしいなという思いは常にありますね」


【小谷野俊哉】


◆「黄昏のリストランテ」 東京のリストランテで腕をふるう女性シェフ(羽田美智子)には秘密があった。それはオーナー(三宅裕司)への復讐(ふくしゅう)だった。そして、このリストランテに身分を隠し通う農水省の官僚(剛力彩芽)がいた。食に群がる欲にまみれた人間模様を描くコメディー。


◆剛力彩芽(ごうりき・あやめ)1992年(平4)8月27日、横浜市生まれ。07年テレビ東京系「チョコミミ」で女優デビュー。08年から雑誌「Seventeen」専属モデル。11年フジテレビ系ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」。12年10月から24年(令6)3月までフジテレビ「奇跡体験アンビリーバボー」MC。13年フジテレビ「ビブリア古書堂の事件手帖」主演、「友達より大切な人」で歌手デビュー。20年から個人事務所ショートカットで活動。24年10月からニッポン放送「剛力彩芽は未来を編む」(土曜午後4時50分)でパーソナリティー。162センチ。血液型O。

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