大混戦のJリーグに、セルジオ越後「暑い夏にキャスティングの差が出る」 7月の日本代表のE−1選手権に呼んでほしい選手は...

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2025年04月24日 07:10  webスポルティーバ

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セルジオ越後の「新・サッカー一蹴両断」(8)

 1節終了するごとに順位が大変動。まれに見る大混戦となっている今季のJリーグ。ご意見番のセルジオ氏に、今後の展望、さらには国内組中心のメンバーで臨むことになる7月のE−1選手権(韓国)で見てみたい選手を聞いた。

【現在最下位のマリノスだが、J2降格を心配する必要はない】

 今季のJリーグは、試合を終えるごとに順位が目まぐるしく入れ替わり、第11節終了時点で京都サンガF.C.がクラブ史上初となる首位に立ち、昨季ギリギリJ1残留の柏レイソルが2位に。さらに、昇格組の清水エスパルスが7位、ファジアーノ岡山が9位と健闘している。

 一方で、昨季王者のヴィッセル神戸が8位、その神戸と最後まで優勝を争ったサンフレッチェ広島、FC町田ゼルビアも10位、11位といずれも波に乗れていない。極めつけは名門の横浜F・マリノスで、早くもスティーブ・ホーランド新監督を更迭するなど最下位の20位に沈んでいる。

 日本代表の森保一監督も「J1は1位から20位まで本当にどこが勝ってもおかしくない。順位も本当にわからないというのはJリーグの良さかなと思います」と言っていたように、今のJリーグにはずば抜けたチームがないというのは確かだろう。

 とはいえ、僕はこの大混戦がずっと続くとは思わない。シーズンはまだまだ長い。結局、最後はキャスティング(選手層、タレント)がものを言う。前評判が高かったチームのほとんどが順位表の上半分に名前を連ねるんじゃないかな。

 タイミングとしては夏場だね。特定の外国人選手の活躍が目立つチームや、運動量で勝負しているチームは、涼しい今はよくても、徐々に調子を落とすだろう。もちろん、夏の猛暑にダメージを受けるのはどのチームも一緒だけど、頼れる選手がどれだけいるか、ケガ人も出てくるなかで選手層の厚いチームほど有利になる。

 ここまでの京都、アビスパ福岡、岡山の頑張りはすごいと思うけど、失礼ながら最後まで上位にいられるだけのキャスティングではない。神戸、広島、鹿島アントラーズ、浦和レッズといった、前評判の高かったチームがじわじわと上がってくる。それが自然な展開だ。実力は均衡しているとはいっても、差がないわけではない。

 その意味で、最下位の横浜FMもまだまだこれから。フロントが監督選びを間違えたのは確かだ。また、さすがにここから巻き返しての優勝争いは難しそうだけど、少なくともJ2降格を心配する必要はない。攻撃陣には実績のあるブラジル人トリオ(アンデルソン・ロペス、ヤン・マテウス、エウベル)が健在だし、日本人選手の顔ぶれを見ても、J2降格は考えにくいよ。

【E−1選手権は、旬の選手にチャンスを】

 さて、今年は7月に日本代表がE−1選手権(韓国)を控えている。国際Aマッチウィークではないため海外組の招集は難しく、Jリーグでプレーしている選手にとっては絶好のチャンスとなる。ここで活躍しても、海外組が大半を占める現在の日本代表メンバーに割って入るのは簡単じゃないけど、優勝して、目に見える結果を残せば、今後に向けていろいろな可能性が広がる。

 森保監督がどういう基準で、どんなメンバーを選ぶかには大いに注目だね。個人的に選んでほしい選手の名前を挙げるなら、まずは浦和のFW松尾佑介。あのスピードは魅力だよ。しかも、ワントップでもウイングでもいける。彼が活躍しているので、得点王経験のあるFWチアゴ・サンタナの居場所がなくなりつつある。大したものだよ。

 それから川崎フロンターレのFW山田新とMF脇坂泰斗。山田は昨季19得点と結果を出しているし、脇坂は今年で30歳になるけど、ずっといいパフォーマンスを見せている。何よりリーダーシップがすばらしいよね。ああいう選手は必ずチームにいてほしい。

 あとはセレッソ大阪のFW北野颯太と湘南ベルマーレのFW鈴木章斗かな。ふたりともJリーグで継続して結果を出しているし、まだ若いので、きっかけ次第でもっと伸びると思う。そういう旬の選手にチャンスを与えてほしい。

 いずれにしても、森保監督はまだメンバーを決めていないだろうし、Jリーグでプレーする選手たちのここからの猛アピールに期待したいね。

(7)>>ファウル判定基準問題に揺れるJリーグ、セルジオ越後は「審判が流しすぎ。選手のプレーが荒くなっている。ケガが心配だね」

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