宮田莉朋、ジェッダはペース不足で「なにもできない週末でした」勝負をかけた予選1周も赤旗に/FIA F2第3戦レビュー

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2025年04月24日 18:30  AUTOSPORT web

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2025年FIA F2第3戦ジェッダ 宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)
 4月18〜20日にサウジアラビアで開催された2025年FIA F2第3戦。これまでの2戦で入賞のない宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)は、高速ストリートコースのジェッダ・コーニッシュ・サーキットで今季初入賞を狙った。

 しかし、走り始めのフリー走行はトップタイムを記録したチームメイトのビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)から1.254秒差の20番手。続く予選もポールシッターから0.881秒差の16番手と、初日から苦戦が続くレースウイークとなった。

「フリー走行はトラブルフリーで走ることができました。ただ、クルマのパフォーマンスを含め、思うように走ることができず、苦しいセッションになりました。ジェッダは昨年の経験があるので、自分なりにさまざまなトライはしていたのですが、うまくいかずでした」と、宮田はレースウイーク後の取材で振り返った。

「その後の予選も、クルマのパフォーマンスは引き続き改善できず、チームメイトのマルタンス選手は前にいましたが(マルタンスはトップから0.022秒差の予選2番手)、僕の方は抱えている問題を改善できず、自分なりにベストは尽くしましたが、いい結果で終えることはできませんでした」

 なお、予選後半にはジョン・ベネット(ファン・アメルスフォールト・レーシング)がターン17でスピンを喫し赤旗が掲示されセッションが中断された。そのとき、宮田は2セット目のオプションタイヤを装着して3回目のアタックラップに入っており、セクター1では自己ベストとなる38.1秒をマークしていた。ただ、宮田がセクター2走行中に赤旗となりアタックをやめることになった。

 赤旗解除後、宮田は最後のアタックに臨んだが、セクター1は38.2秒と自己ベストに届かず、ポールポジションを獲得したジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)から0.881秒差の16番手で終えることになった。

「予選の赤旗のときは、自分のなかでもベストな状況で走れていました。とはいえ、完全に満足のいく走りではありませんでしたが、満足のいかないなかでもできる限りのベストを刻めそうな周でした。タイヤもこの1周に合わせてウォームアップして、この一周に勝負をかけたつもりだったので、あの赤旗は残念でした」と、宮田。

 迎えた土曜日のスプリントレース(レース1)は2つ、日曜日のフィーチャーレース(レース2)は3つ、スタートで順位を上げることが叶った宮田だったが、その後はペースが上がらず、レースが進むにつれてポジションをずるずると下げることに。

 また、スプリントレースではファイナルラップでラファエル・ヴィラゴメス(ファン・アメルスフォールト・レーシング)とサイド・バイ・サイドのポジション争いのさなか、ターン1でコース外に出ると、シケインをショートカットするかたちでヴィラゴメスの前に戻った。これで宮田がアドバンテージを得たとして、レース後に10秒のタイムペナルティが下り、スプリントレースは19位、翌日のフィーチャーレースは16位と、宮田はジェッダの週末もポイント獲得には届かなかった。

 スプリントレースのペナルティについて尋ねると「思うところはありますが、コメントは避けたいと思います」と、宮田。

「そもそもあの位置(18番手争い)でレースをしたことと、ペースのなさが第一なので、それさえなければあんなレースにはならなかったと思いますし、ペナルティを受けるようなレースにもならなかったと思います。フィーチャーレースもスプリントレースもそうでしたが、スタートで順位を上げることができたものの、いかんせんパフォーマンスが無い状況で、プッシュしたくてもできず、ストレートスピードも周りに比べて劣っている状況なので、なにもできない週末でした」

「もちろん、僕自身のドライビングを改善し続ける気持ちはずっとありますし、ドライビング以外に抱えている課題も含めて、今後いかに改善していけるかが重要だと思っています。ベストを尽くすつもりですし、決して諦めたわけでもないので、これからも頑張りたいと思います」

 2024年シーズンは開幕3戦(6レース)で入賞3回だった宮田。2年目の今年は開幕3戦(※メルボルンのフィーチャーレースがキャンセルのため5レース)を終えて、いまだ入賞がない状況だ。

「次戦はイモラで、ここからヨーロッパラウンドとなります。なかなか明るい兆しが見えにくいなかですが、自分のなかでどうすべきか向き合い、ベストを尽くすだけだと思います。今のところ良いレースはできていないですけれど、常にトライをして、チームをリスペクトして取り組んでいるので、諦めずに頑張っていきたいと思います」

 歯車の噛み合わないシーズン序盤を過ごした宮田。この経験が次戦から続くヨーロッパラウンドで生きることを、そして宮田自身が満足できる走りができることを願うばかりだ。

[オートスポーツweb 2025年04月24日]

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