ロッテ・吉川悠斗(撮影=岩下雄太) ロッテ育成3年目の吉川悠斗は、18日のヤクルトとの二軍戦でプロ入り後、自己最長の6回2/3を投げるなど、ここまでファームで4試合・16回1/3を投げ、2勝0敗、防御率2.20の成績を残す。
今季に向けてシーズンオフは、オーストラリアのウインターリーグに参戦し、「先発ということだったので、長いイニングを投げることを目標に、日本とオーストラリアというところで環境の違いとか、コーチの教え方の違いとかもあるので、そういうところを吸収して、自分のピッチングをより良いものにすることを一つのテーマに、取り組んではいました」と先発として実戦経験を積んだ。ウインターリーグは、3試合・14回を投げ、2勝1敗、奪三振はイニングを上回る15、防御率3.86の成績を残した。
オーストラリアで学んできたことは、今季が始まってから「ある程度できていると思います」とのこと。
シーズンが開幕してからは3月18日のオイシックス戦、続く3月26日の楽天戦ではリリーフで登板。3月26日の楽天二軍戦では、「風が強くて、純粋に長いこと一本足で立っていると風が来ていると対応できないからです」と走者がいない時にノーワインドアップではなく、セットポジションから投げ、工夫を凝らした。
今季3度目の登板となった4月10日の巨人二軍戦では今季初先発し、5回を投げ無失点に抑え、今季初勝利。続く18日のヤクルト二軍戦ではプロ入り後、自己最長の6回2/3を投げ、2失点にまとめ2勝目を手にした。
「7回を投げたのはこの前が初めてだったと思うんですけど、長いイニングを投げていたのは高校3年が最後だった。2、3年空いていると言うのもあって体力的にも厳しいというか、今ひとつという感じはしましたね」と課題点を口にした。
◆ 投球面
今季の吉川の投球を見ていると、右打者のインサイドのストレートが良い。「右のインサイドは自分の中でバロメーターといいますか、その日ちゃんと投げられていればある程度抑えられると思いますし、幅を持たせて投げられる一部の指標になるんじゃないかなと思います」。
昨季、ストレートを投げる上で、上半身と下半身の連動性を重要視していたが、そこについても「連動ができているかはわからないですけど、強い球が投げられているので、引き続きフォームの安定、練習をしっかりしていけたらなと思います」と明かした。
ストレートともに投球を支えるチェンジアップ、スライダーについては「今のところはしっかりできているので、その2つあっての真っ直ぐというところもある。ある程度というか、もうちょっと操れるように。現状はできてはいるんですけど、さらにというところで突き詰めていきたいところではあるかなと思います」と自己分析。
プロ3年目の今季、「まずは支配下登録を目標にした上で、さらに来年も契約してもらえるであったり、一軍で投げられるであったり、来年に繋げられるようなシーズンにできればなと思います」と意気込む。
同学年の田中晴也は一軍の先発の一員として投げている。「田中だけじゃないですけど、1個下に木村がいて、2つ上の中森さんが投げているのを見て、やっぱり二軍で一緒に練習してきた人だったので、そういう人たちが投げているのを見ると、僕ももっと頑張ろうと思います。負けていられないというのはありますね」。支配下選手登録を勝ち取るため、ファームの打者を圧倒して抑えていきたい。
取材・文=岩下雄太