火山灰3cmで「警報」、30cm以上は原則避難 気象庁、新基準導入へ

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2025年04月25日 16:40  毎日新聞

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毎日新聞

富士山=静岡県上空で、本社ヘリから

 大規模噴火が起きた時の情報発信について議論する気象庁の有識者検討会は25日、火山灰に特化した新たな警報や注意報の導入を提言する報告書を公表した。降灰が深さ3センチ以上になると予想されれば「火山灰警報」(仮称)を出すなど、降り積もる火山灰の量に応じて災害への警戒を呼びかける。気象庁は全国の火山を対象に、数年後の運用開始を目指す。


 火山灰は3センチ以上積もると交通やライフラインに大規模な障害が見込まれ、重大な災害につながる恐れがある。気象庁は2008年から降灰の範囲や深さを予測する「降灰予報」を始めたが、深さは最大で「1ミリ以上」と大まかな設定で、取るべき行動も「外出を控える」までしかなかった。


 報告書は、累積の降灰量に応じて発表する情報を分けるよう提言。0・1ミリ以上3センチ未満で「注意報」(自宅などで生活を継続)▽3センチ以上30センチ未満で「警報」(自宅などで生活を継続し、状況に応じて生活可能な地域へ移動)▽30センチ以上で「一段強い呼びかけ」(原則避難)――を、対象となる市町村に発表することが望ましいとした。


 気象庁は今後、システム開発を進め、警報の正式名称や解除条件などを検討する。【高橋由衣】



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