2025年F1第5戦サウジアラビアGP アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) 2025年F1第5戦サウジアラビアGPの舞台であるジェッダ・コーニッシュ・サーキットは、鈴鹿やスパ・フランコルシャン・サーキットとは別の意味で、難しいサーキットだ。全開率は約76%とイタリアGPが行われるモンツァに次いで高く、コースのほとんどがバリアに囲まれているためにクラッシュしやすい。
クラッシュを恐れて守りの走りをすると、コーナーが27個もあるため、タイムが伸びない。バリアに囲まれたコースで高速でミスなく攻め続けるという点では、24戦のなかで最も過酷なサーキットというのがジェッダ・コーニッシュ・サーキットの最大の特徴だ。そのため、このサーキットではドライバーの腕の差がほかのサーキット以上に出やすい。
その高速市街地コースで新人ドライバーのなかで光っていたのが、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)だ。
予選ではQ2で実力を発揮できずに14番手に終わったが、レースではスタート直後にチームメイトのリアム・ローソンをかわし、4周目の最終コーナーでフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)をオーバーテイク。その後は、スタート時に履いたハードタイヤをしっかりとマネージメントして、34周目にピットストップを行い、10番手でコースに復帰する。
ピットストップ後は、9番手のアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)に迫る走りを披露する。しかし、ウイリアムズはハジャーの攻撃からアルボンを守るため、8番手を走るチームメイトのカルロス・サインツがアルボンにDRSを使用させたため、ハジャーのポジションアップはそれ以降できなかった。
それでも、サインツ&アルボンというベテランがチームワークを発揮しなければならないほど、この日のハジャーのペースはよかった。最終的にオーバーテイクすることはできなかったが、狭いコースで最後までミスを犯すことなくウイリアムズ勢を追いかける走りは、ルーキーとは思えない冷静さを感じた。
「もし、アレックス(アルボンの愛称)の前がチームメイトでなければ、8位でフィニッシュできたかもしれない。でも、最後まで全開でプッシュした。これが僕がやりたいレースだった」
レース後、そうハジャーは語った。
レーシングブルズのローラン・メキース代表はハジャーの走りを次のように讃えた。
「リアムとアイザックは、どちらもF1マシンでこのコースを走ったことがなかったにもかかわらず、非常にいい仕事をしてくれた」
第3戦日本GP以来、2戦ぶりにポイントを獲得したハジャーは、ドライバーズ選手権でサインツ、角田裕毅(レッドブル)と並ぶ合計5ポイントとなった。
[オートスポーツweb 2025年04月25日]