開業した国立アイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」=2020年7月、北海道白老町 政府は25日、英エディンバラ大学が保管するアイヌ民族の遺骨3体が日本側に返還される運びになったと発表した。男女3人の頭骨で、同大学で30日に返還式典が行われ、5月3日に北海道に到着する。国のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(白老町)の慰霊施設などに安置される見通しだ。
研究目的などで海外に持ち出された遺骨が返還されるのは、2017年のドイツ、23年のオーストラリアに続いて3例目となる。
3体は1913年に日本在住の英国人医師が同大学に寄贈。23年に保管が判明し、政府が返還を請求していた。記録には出土地として「オコシ」「ウラカワ」「クシロ」とローマ字で記されていた。政府は小越村(現えりも町)、浦河町、釧路市か釧路町を指すとみている。
英国ではこの3体に加え、ロンドン自然史博物館でアイヌの遺骨3体、その可能性がある遺骨10体が確認されている。政府は同博物館にも返還や調査を引き続き求めていく方針だ。