フローラSに出走予定のエストゥペンダ(ユーザー提供:旅っ程さん) 今週の日曜日は、東京競馬場でフローラステークス(GII・芝2000m)が行われます。
過去10年のフローラSは父ヘイルトゥリーズン系の馬が7勝2着8回3着7回と活躍しています。ヘイルトゥリーズン系には日本競馬の主流とも言えるサンデーサイレンス系が含まれます。また、サンデーサイレンス系の血が入っていないヘイルトゥリーズン系でも、スクリーンヒーローやエピファネイアなど現役時代に東京芝のGIで実績を残した種牡馬も好走馬を輩出しています。
ここ2年のフローラSは上位3頭を父ヘイルトゥリーズン系の馬が占めていることからも、ヘイルトゥリーズンの影響力の強さを感じさせます。東京は多くの芝GIが開催されるコースであり、サンデーサイレンス系の適性が十分に発揮できる舞台になるのでしょう。
また、スクリーンヒーローやエピファネイアなどの産駒については、東京の高い適性を父から受け継いでいる馬が多いため、サンデーサイレンス系の血が入っていなくても結果を残す馬が出ていると考えられます。
今年のフローラSも東京芝2000mが舞台となりますので、まずは父がヘイルトゥリーズン系の馬、特にサンデーサイレンス系の血が入っている馬に注目するのが良さそうです。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
父ミスプロ系で前走4番人気以下
[0-0-0-12]複勝率0%
該当馬:エストゥペンダ
(過去の該当馬:20年レッドルレーヴ3番人気7着)
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるエストゥペンダが該当しました。
日本競馬において主流とされる血統はサンデーサイレンス系だけでなく、父キングカメハメハ系もそのひとつ。父キングカメハメハ系はミスプロの血が入っている系統になりますが、その父ミスプロ系は意外にも過去10年のフローラSでは苦戦しています。父ミスプロ系で馬券に絡んだのは前走で3番人気以内の支持を集めていた馬のみ。前走が4番人気以下だった馬には好走例はありませんでした。
上位人気になるのは近況に優れた点のある馬や十分な実績のある馬と言えます。また、素質や能力の高さを裏付ける材料のある馬も人気になるケースがあります。実際、父ミスプロ系で馬券に絡んだ馬はノーザンファームか社台ファームで生産された馬のみです。
ノーザンファームや社台ファームは日本競馬の中心と言える生産牧場。種牡馬や繁殖牝馬、育成施設などのレベルが高いですし、その中で育てられている馬は素質や能力を十分に備えていると言えます。父ミスプロ系の馬については、生まれ持った才能や能力などが好走の鍵を握ると考えて良さそうです。
該当に挙げたエストゥペンダは前走6番人気。生産牧場はノーザンファームや社台ファームではありませんので、過去の傾向を踏まえると人気でも手を出すのは危険と言えるかもしれません。
近2走は重賞で上位争いに絡んでいるように能力は通用するモノがあります。しかし、ここ2戦はどちらも差し脚を活かす形での結果。今回のフローラSは東京の開幕週が舞台となります。時計の速い決着が見込まれますし、馬場状態がいいだけに前へ行った馬も簡単には止まらないはずです。
今回は過去の傾向に加えて、展開や馬場なども本馬には厳しい条件と言えます。直線では差し脚を伸ばしてくるでしょうが、上位争いに絡むところまではいかない可能性も考えたいところです。ここは展開や馬場などを味方につけられる馬に高い評価を与える方が、配当的にもおいしい思いができるのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。