DeNA・入江大生(写真:萩原孝弘) 好調広島を零封し、連勝を飾ったDeNA。アンソニー・ケイの好投を、伊勢大夢、入江大生とつないで2点を守り切った投手陣の奮闘が大きかった。
中でも昨年5月の肩の手術から今季復活した、入江大生の気合のピッチングが目を引いた。
昨夜もセーブを挙げ、今季初の連投となった右腕は先頭の野間峻祥に対し、勢いのあるストレートで打ち取ったが、飛んだところがよくセカンド牧秀悟のグラブを弾くヒット。続く田村俊介にはバットをへし折りながらも二遊間に力なく飛び、センターへ抜けるアンラッキーなヒットでたちまち大ピンチを迎える。
しかしその後は冷静だった。想定内の送りバントで一打同点にケースは変わったが、中村奨成をセカンドフライ、代打の磯村嘉孝を空振り三振とマウンドを支配。派手なガッツポーズでゲームの幕を閉じさせた。
入江はピンチの場面でも「2点勝っていたので、バントで1アウト取ってから、どうやって攻めていこうと考えていました」と冷静さを失わずに対処。「祐大は強気なので、それに応えられるような球を投げられるように」と気持ちを全面に出すことを心がけ、その通りのボールで後続を断ち切ったと胸を張った。
連投には「初めてなのでちょっと落ち着かない部分はありました。ブルペンでも指にかからないとかあったんですけれども」と多少の不安はありながら「それを上回る勝ちたい気持ちでした。野手やベンチ、ファンの皆さんが声を張り上げて応援してくださるので、その気持ちに応えたい思いでしたね」とバックの力にも助けられたと感謝。
まだ守護神ではないと前置きしたうえだが「チームに勝敗は9回を投げる人が握っていると思うので、逃げての失敗はしたくないと思っています。実力を出せずに点を取られてしまうと、先発や他のピッチャーにも申し訳ないので、3つのアウトを取ることをどんな形でも、不器用でも全力でやっていきたい」と抑えを任される立場としての矜持を示した。
この日で8試合目の登板となり「開幕の試合に比べたら落ち着いているとは思います。あの時は、もうどうしようどうしようって感じでしたから、日に日に落ち着いてきたとは思います」とメンタル面の充実も実感。三浦監督も「守護神というのは佐々木主浩さんのような存在。まだ初心者マークがついてますから」としつつも「頼りになるなって感じになってきました」と活躍に目を細めた。
少ない得点を投手陣がカバーする。本調子とは言えない打撃陣の復活を待ち、粘りの野球で三浦ベイスターズは勝ち星を拾っていく。
取材・文・写真:萩原孝弘