
阿部寛(60)主演の日曜劇場『キャスター』(TBS系)が4月13日から始まった。視聴率低迷にあえぐ報道番組『ニュースゲート』のメインキャスターに就任した進藤壮一(阿部)が、生ぬるい報道姿勢を正すという完全オリジナルストーリー。第1話の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ・関東地区、以下同)は世帯14・2%、個人8・7%を記録し、好スタートを切った。しかし、ネット上には早くも残念な声が。
「現実的にはありえない」設定
《俳優さんたちは良いけど、キャスターが病院だ国会議員だをほじくりまくって、悪を裁く的な無理筋すぎて1話を見て離脱しそうと感じた》
《たぶん次回は(視聴率が)下がると思う。ありえないくらいツッコミどころ満載で自分は離脱しますから》
ドラマのメインキャラクターで、永野芽郁演じる崎久保華はバラエティーから報道に初めて異動になり、総合演出に抜擢されたという設定。実際にそのような要職に若手が就けるのか、現役の報道番組ディレクターに聞いてみた。
「現実にはありえないと思います。ウチの局の場合、総合演出はプロデューサー格で、40代〜50代のベテランが務めるもの。ディレクターからデスクへと経験を積んで、力量のある人が総合演出やプロデューサーになります」
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1話の時点で崎久保の年齢は明かされていないが、さすがに25歳の永野が演じていて40代という設定ではないだろう。
「全部が都合よく動いている」
また、内閣官房長官(北大路欣也)の裏金疑惑を報じる発売前の週刊誌の原稿を、進藤が手に入れているシーンがあるが、
「発売前のスクープ記事の原稿を、外部の人間に渡すことは基本的にありえません」(週刊誌記者)
視聴者からは、《あんな滑舌の悪いニュースキャスター有り得ないだろ》と、阿部の発音がキャスターらしくないとの指摘も。
「阿部さんはモゴモゴした話し方で声も低く、聞き取りにくいところはあるかもしれません。ダークヒーローには似合っていますが」
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と言うのはドラマウォッチャーの、くのいちこさん。
内閣官房長官がたまたま進藤と崎久保の目の前で倒れる、病院長の研究室から生中継で汚職の証拠を探し当てる、証拠の領収書を隠したデスクに鍵すらかかっていない─そんな粗いストーリー展開に、
「全部が都合よく動いていますよね。話の面白さを優先させたのかもしれませんが、最近の視聴者はリアルさを求める傾向にあります。あまりにもリアリティーがないと視聴者も純粋に楽しめなくなる。TBSのドラマ班はリアルさに目をつぶって作ったのかも」(くのいちこさん)
“報道のTBS”を自負する同局が、報道番組を舞台にしたドラマで、しかも看板枠である日曜劇場にしてはツッコミどころが多すぎるような……。
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