カッレ・ロバンペラが復活の完勝劇。トヨタ、初WRCのカナリアスでトップ4独占【最終日レポート】

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2025年04月27日 22:20  AUTOSPORT web

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カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第4戦ラリー・イスラス・カナリアス
 4月27日(日)、スペインのカナリア諸島に属するグラン・カナリア島にて、2025年WRC世界ラリー選手権の第4戦『ラリー・イスラス・カナリアス』の最終日が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。また、日曜のみの総合順位でポイントを競う“スーパーサンデー”でもTGR-WRTのロバンペラ組が最速となっている。

 日本人ラリードライバーの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合4位/スーパーサンデー4位でラリーを終えた。

 第3戦サファリ・ラリー・ケニアから約1カ月を経て迎えた第4戦。このラリー・イスラス・カナリアスは、開幕戦ラリー・モンテカルロよりも純粋な今季初のフルターマック(舗装路)イベントであり、初のWRCイベントとしての開催となる。ほとんどすべてのスペシャルステージ(SS)は、村を抜ける生活道路や峠で実施され、全開区間と回り込んだコーナーが繰り返されるレイアウトだ。

 ターマック表面はスムーズで、広い区間ではサーキットレースのように攻めつつ、ツイスティな区間ではテクニカルな走りが求められる。さらに、ハンコックタイヤが持ち込んだ新コンパウンドのハードに適応した走りも、今大会のひとつのポイントとなっている。

 こうした第4戦では、シェイクダウンからトヨタ勢がライバルを圧倒し、大会初日からハイペースを披露。デイ2まで表彰台圏内を一度も譲らない一強状態を築いた。ロバンペラを首位に、セバスチャン・オジエ、エルフィン・エバンス(ともにトヨタGRヤリス・ラリー1)のトップ3で迎えた最終日は、SS14からSS18までの全5本(総距離58.38km)で競われた。

 最終日までに12本のステージウインをあげていたロバンペラは、この日も好調をキープ。まずは2本のループステージ1走目で、連続ステージウインをあげる。

 そして2、3番手はオジエとエバンスが争っていたなか、“スーパーサンデー”のポイントを手にするべくペースを上げてきたヒョンデのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)も割って入る展開となった。

 またこの日はSS16として、カートコースを舞台としたスーパーSS『コスタ・カナリア』も実施された。ここでは、1.5kmという短い総距離でタイムアタックが行われ、オジエとアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)、さらにWRC2のヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)と3人のフランス人ドライバーが同タイムでトップに並ぶ結果に。ステージウインは、最初にタイムを記録したフルモーとなった。

 残るステージは2本。すでに走行したループステージの再走となり、SS17でオジエがふたたびトップタイムを記録。エバンス、ロバンペラと1秒以内のタイムとなり、勝田も続いたことでTGR-WRTがトップ4を占める。一方、スーパーサンデー上位を狙っていたヌービルがタイヤトラブルで後退した。

 迎えた最終SSは、トップ5のクルーとマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。この時点でロバンペラは49.5秒のリードを築いており、一番最後にコースインしたパワーステージもダントツのトップタイムを記録。開幕3大会では新たなハンコックタイヤのフィーリングに苦戦していたロバンペラだが、4大会目で復調を果たし見事な完勝を飾った。

 今季初勝利のロバンペラに次ぐ2位にはオジエ、3位にはエバンスが入り、トヨタは表彰台を独占。勝田も、ラリー序盤こそリズムを掴み切れない様子だったが、後半にはペースを改善して4位入賞となり、TGR-WRTのトップ4フィニッシュを支えた。

 一方ヒョンデ・シェル・モービスWRTは、スムースなターマックと新コンパウンドのハードタイヤとのマッチングを見出し切れなかったか、つねにトヨタの後塵を拝する戦いとなった。陣営内最高位は、唯一のステージウインを飾ったフルモーの5位となり、元王者のオィット・タナックとヌービルは6位、7位完走となった。

 そしてトヨタ、ヒョンデと戦うセミワークスのMスポーツ・フォードWRTは、デイ2でグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)がコースオフし後退、デイ3にはジョシュ・マッカーリーン(フォード・プーマ・ラリー1)がスピンクラッシュによりリタイアするなど、苦しい週末に。最上位はミュンスターの11位完走となった。

 2025年WRCの次戦は、第5戦『ラリー・ポルトガル』。グラベル(未舗装路)の山岳地帯を舞台に、回り込むコーナーと大きなアップダウンが特徴的なSSを走る伝統の一戦だ。第5戦は5月15日(木)から18日(日)にかけて開催される予定だ。

[オートスポーツweb 2025年04月27日]

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