17年の天皇賞(春)を制したキタサンブラック(c)netkeiba 京都競馬場で5月4日(日)に行われる天皇賞(春)(4歳上・GI・芝3200m)。古馬の長距離王を決する一戦には、ダイヤモンドSを制したヘデントールを筆頭に、阪神大賞典を制したサンライズアース、23年覇者のジャスティンパレスなどが集った。本稿では同レースの開催にあたり、歴代勝ち時計をランキング形式で紹介する(京都芝3200mの開催に限る)。
■5位タイ 3分14秒2 2024年 テーオーロイヤル
22年のダイヤモンドSで重賞初制覇を飾り、同年の天皇賞(春)でも3着と好走。そこから1年経てパワーアップを遂げ、24年はダイヤモンドSを連覇、続く阪神大賞典を5馬身差で圧勝し、本番にも堂々1番人気で駒を進めた。道中は折り合いに気を付けながら4、5番手の外目。1000m通過が59秒7、2000mは2分1秒7のミドルラップをじっくり運び、コーナー出口でディープボンドの外に馬体を並べると、あっという間に抜け出し、叩き合いにすらならず。最後は追い込んできたブローザホーンに2馬身差を付け、人馬ともにGI初制覇を飾った。
■5位タイ 3分14秒2 2013年 フェノーメノ
3歳時にダービー、天皇賞(秋)で2着に入るなど、GIレースでも非凡な才能を発揮。明け4歳は日経賞から始動し、同レースを1馬身半で快勝すると、続く天皇賞(春)にはゴールドシップに次ぐ2番人気で出走した。スタートするとサトノシュレンがとび出し、きっぷよくペースを刻み隊列は縦長。フェノーメノは7番手あたりで脚を溜め、2周目下り坂から一気に進出し、4コーナー過ぎでは早くも先頭へ。直線では外からトーセンラーも脚を伸ばすが、フェノーメノの勢いは衰えることなく、1.1/4馬身差でGI初制覇。翌年には3分15秒1の時計で連覇した。
■4位 3分14秒1 2007年 メイショウサムソン
前年に皐月賞、ダービーの二冠。菊花賞で敗れ快挙はならなかったが、古馬相手にジャパンC6着、有馬記念5着とまずまずの走りを見せていた。4歳初戦は大阪杯を選び、1番人気に応えて快勝。天皇賞(春)では4.5倍の2番人気に支持された。レースはミドルラップで縦に長くなる展開。メイショウサムソンは中団で脚を溜めていたが、勝負どころからマクるように進出していく。直線でもしぶとく脚を伸ばし、外からエリモエクスパイア、内からトウカイトリックも追いすがったが、最後はハナ差粘り込んでゴール。GI・3勝目をマークした。
■3位 3分13秒8 2012年 ビートブラック
同年の注目は三冠馬オルフェーヴルに集まり、単勝1.3倍の圧倒的な1番人気となっていた。いっぽう、ビートブラックは14番人気の単勝159.6倍。前年の京都大賞典で2着の実績があったものの、重賞未勝利であったこと、近走成績が振るわないことから人気を落としていた。ところが、結果はよもやの大波乱。各馬の意識が後方待機のオルフェーヴルに向いたのか、道中はゴールデンハインド、ビートブラックの2頭で大逃げ。直線に入った段階で勝負あったと思わせるリードを築き、最後は4馬身差を付ける快勝で、人馬ともにGI初制覇を決めた。
■2位 3分13秒4 2006年 ディープインパクト
暮れの有馬記念でハーツクライの後塵を拝したが、年明け初戦の阪神大賞典を快勝しファンを安堵させる。天皇賞(春)では単勝1.1倍の圧倒的な支持を集めた。レースではただただ強さが際立つ走り。スタートはアオって最後方となったが、2周目の上り坂から進出を開始すると、残り600m付近で先頭に立つ常識破りの大マクリを披露。直線ではリンカーンが必死に追いすがってきたが、前と詰まる気配をまったくみせない。むしろ差は広がっていき、「圧勝」の言葉がよく似合う3馬身半差。古馬最高峰の舞台でも、モノが違う走りを見せつけた。
■1位 3分12秒5 2017年 キタサンブラック
16年の天皇賞(春)はカレンミロティックとハナ差の大接戦を制して勝利。連覇を狙った17年は1番人気に支持された。まずまずのスタートを切り、内枠を利して2番手へ。ヤマカツライデンが後続を引き離して逃げ、1000m58秒3、2000mが1分59秒7のハイラップ。武豊騎手は後続を気にしながら仕掛けどころをうかがい、4コーナーで早くも先頭に立つ。直線ではシュヴァルグランやサトノダイヤモンドも追撃してきたが、最後まで手応えには十分余裕があった。1.1/4馬身差の快勝。勝ち時計はディープの記録を0.9秒も塗り替える驚愕のレコードとなった。