写真【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.172】
アビシニアンの「猫さん」(男の子)は、キャットショーでチャンピオンを獲得したことがある両親のもとに生まれた子でした。しかし、猫さん自身は猫風邪の後遺症があったことから売れ残り、処分対象に。
そんな状況に心を痛めたもかんさん(@mikanno_mikan)は、猫さんと暮らすことを決意しました。
◆猫風邪の後遺症で右目の涙が止まらず、処分対象に
出会いは、2019年のこと。当時1歳だった猫さんは猫風邪の後遺症で右目から涙が止まらず、貰い手もいませんでした。居場所のない猫さんは処分対象に。
そんな話をブリーダーから聞いたもかんさんは、猫さんのお迎えを決意します。
「他の猫と違うところが少しでもあると、規格外として処分対象になってしまうことが本当に悲しくて……。絶対に死ぬまで一緒に暮らそうと決めて、譲り受けました」
猫さんは人馴れしており、お迎え当初から人見知りせず、元気な姿を見せてくれたそう。特別な配慮をしなくても、新しい家での生活にすぐ慣れてくれました。
◆大泣きした時や寝込んだ時に寄り添ってくれる心優しき愛猫
猫さんは心優しい性格で、人間を噛んだりイタズラをしたりすることはなく、もかんさんの心身を気遣う行動も見せてくれました。中でも心に刺さったのは、高熱を出して寝込んだ時、ずっとそばにいてくれた優しさです。
「悲しくて大泣きした時も、ずっと隣にいてくれました」
空気を読むのが得意な猫さんは、ひとり遊びも上手です。普段から人間に遊びを催促せず、熱中できる遊びを見つけて、ひとりで楽しんでいます。
とはいえ、アビシニアンは運動量が多い猫種であるため、もかんさんはトイレを含むすべての部屋のドアを開けっぱなしにして、猫さんが思いっきり走り回れ、ニャルソックを満喫できるように配慮しているのだとか。
なお、後遺症がある右目はこまめにケア。近くにいる時は必ず涙を拭き、目元を清潔に保っています。
◆美猫なのに変態な一面も…!?
知的で優しい猫さんには、もかんさんしか知らないユニークな一面もあります。例えば、お風呂に入る前、脱衣所で服を脱いでいると、猫さんは裸になったもかんさんの胸に激しくスリするそう。
「すごく変態だなと思っています(笑)。オジサンみたいな顔をして見つめてくることもよくあります」
また、人懐っこい性格だからこそ、誰にでもスリスリしちゃうのが猫さんのかわいさです。もかんさんが驚かされたのは以前、業者さんにお風呂場の修理をしてもらった時のこと。
「猫さんの姿が見えなくなったので探していると、お風呂場で業者の男性にスリスリして遊んでもらっていました」
人間を愛しながら、マイペースに生きる猫さん。その日常を見守る中で、もかんさんの心にある「大好きだよ。ずっと一緒にいようね」の気持ちはより強くなっていきます。
後遺症などで売れ残りとなる猫たちが、みな救われてほしい。けれど、そう願う一方で自分には救える財力がなく、保護ボランティアさんに頼りきりな現状であることが悲しい。
そう吐露するもかんさんの心に触れると、「売れ残り」という悲しい言葉で括られ、ひっそりと亡くなっていく猫たちの救い方を考えたくなります。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291