
【写真】リョウスケくんの代わりに東福岡高ラグビー部で奮闘する大上直美さん
「亡き息子リョウスケの夢」は、当時52歳で兵庫県に在住の大上直美さんから届いた依頼がきっかけだった。「昨年10月、私の14歳の息子リョウスケが不慮の事故で亡くなった。リョウスケは稀代のラグビーバカだった。幼稚園からラグビーを始め、本気で日本代表になる目標を立て、そこへ向けての将来設計を小学1年の頃からしていた。中学生になってからは、全国屈指のラグビー部名門校、『ヒガシ』こと東福岡高校を目指して体力作りにも精を出していた。しかし、それがある日突然、ぷっつり終わってしまった」。
「呆然と何をしていいのか分からない日々。それからリョウスケの残したものを整理していくうちに、私はふと思った。『リョウスケになりたい』と。リョウスケになって、リョウスケが目指していた『ヒガシ』へ行きたい。リョウスケとしてグラウンドに立ち、リョウスケと仲間になっていたかもしれない部員たちと共に練習をする。そんなリョウスケの追いかけていた夢の一つを叶えたいのだ」。
「私はスポーツ全般がかなり不得意な、運動オンチのおばちゃん。応援こそしていたものの、リョウスケがラグビーへかける想いを全て分かっていたとは言えないと思う。しかし、リョウスケになれば、きっとその情熱だって分かるはず。一緒に『ヒガシ』へ行って、私をリョウスケにしてもらえないだろうか」。
リョウスケ君のお母さん・大上直美さんからの依頼を受け、番組スタッフが東福岡高校に連絡。バラエティー番組の取材は通常は断っているという東福岡高校だったが、依頼文を読み特別に許可を出した。
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そして、ナイトスクープをきっかけに、リョウスケ君と東福岡高校との“縁”が生まれ、今年春、高校入学を果たしているであろうリョウスケ君を、東福岡高校ラグビー部が「部員」として迎え入れた。
『探偵!ナイトスクープ』「亡き息子リョウスケの夢」は、TVerにて配信中。
※リョウスケくんのお母さんのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
――入部に至る経緯について。
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11月、福岡県大会の決勝戦で東福岡高校を現地で応援しました。試合後の記念写真撮影の際、リョウスケを迎えに来てくださり、公式の記念写真を撮っていただきました。後から聞いた話によると、部員の中で「リョウスケがいるから連れてきて」となったとのことです。スタンドの私たちのところまで、満面の笑みで「リョウスケー」と呼びながらダッシュで来てくれた光景が忘れられません。
3月半ば、「リョウスケも来月になったら東福岡高校に行っているのかな」と家族で話していたところ、上杉先生から電話がありました。監督が各所に取り計らい、正式に部員にする手続きをすでに進めてくださっていました。新チームの皆さんにもリョウスケを正式に部員にしていいか尋ね、全員一致で了承されたとのことです。
4月、東福岡高校での入部式にて、生徒挨拶の際に監督から部員全員に説明がありました。リョウスケの背番号は46番。練習ジャージやヘッドギアなども同じようにいただき、生徒たちもごく当たり前に受け入れてくれていました。リョウスケが東福岡高校の皆さんに可愛がってもらって、またチームを支える役割を担っていってくれたらいいなと思います。
――ナイトスクープのロケを振り返って。
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番組を通じて、東福岡高校の方々をはじめ、たくさんの人にリョウスケのことを知ってもらえたこと、そして東福岡高校の皆さんがリョウスケと一緒に戦っていってもらえることが本当に嬉しいです。私たちも東福岡高校の保護者にしていただけて、一緒に応援させていただけるのが大変ありがたいです。
入部を一緒に喜んでくださり、私たちに代わって東福岡高校にお礼を言ってくださる方も大勢いらっしゃいました。本当にありがとうございます。こういう場をお借りして感謝の気持ちをお伝えできると嬉しいです。