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吉本興業は28日、昨年まで2年連続で「M−1グランプリ」を制した令和ロマンの高比良くるま(30)と同日付でマネジメント契約を終了したと公式サイトで発表した。コンビ活動は継続し、相方の松井ケムリは引き続き、吉本所属のまま活動を続ける。2人は今後どのような形で活動していくことになるのだろうか。
くるまは一部で報じられたオンラインカジノ賭博に関与していたとの報道を認めて謝罪し、活動自粛中だった。そして今回の契約解除発表と同時に更新したコンビのYouTubeチャンネルの動画内で、契約解除をもっての活動復帰を発表した。関係者によると、当面は無所属で活動するとみられる。それぞれの所属事務所が違う中でのコンビ活動継続にやや違和感を持つ見方もあるが、吉本芸人ではこれまでもさまざまなケースからコンビの片方が吉本所属ではなくなる例はあった。
加藤浩次と山本圭壱の極楽とんぼは、2006年に未成年女性と飲酒および性行為を行ったとして書類送検され、直後に契約解除。山本は約10年間、表舞台から遠ざかっていたが、その後、再びコンビとしてテレビ番組出演などを果たした。田村淳と田村亮のロンドンブーツ1号2号は2019年の闇営業問題に亮が絡んでいたとして謹慎。株式会社LONDONBOOTSを立ち上げ、同社の所属として吉本と専属エージェント契約を結ぶ形で芸能活動を再開した。2023年末でエージェント契約も終了し、フリーで活動している。
さらに西野亮廣と梶原雄太のキングコングは2021年に西野が吉本とマネジメント契約を終了。絵本作家などとして活動するほか、吉本の運営する媒体などへの出演はゲスト扱いになった。
令和ロマンもこの3件と状況は似ており、松井は28日に投稿した動画内で「わかりやすく言えばキングコングさん状態ね」と語り、高比良も「絵本描いたりはしてないけど」と言いつつも強く否定はしなかった。いずれもコンビとしての形は残り、吉本関係者も「コンビで活動することは可能」という。しかし、双方が吉本所属のコンビに比べて仕事のオファーを受けた際の確認などが複雑化するため、吉本から仕事が振られる機会が事実上減少することは避けられないという。吉本が管轄する劇場出演が顕著な例といい「無理ではないが、なかなか厳しくなる」(同関係者)。
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現在、令和ロマンはテレビやラジオのレギュラーを数本抱えているが、契約更新などの際にスムーズに継続へと話が及ぶかは不透明と言える。形式上「コンビ」として維持することは可能だが、今を時めくM−1を2連覇中の王者といえど、今後の活動も順調にいくとは言い切れない。
くるまはYouTubeの動画内で、事務所幹部と今後について話し合う中で、オンラインカジノ利用など、一連の問題について同チャンネルなどで自ら意見を発信したことに「こっち(会社)としてはやってほしくなかった」と告げられ「会社との信頼関係というのがなかなか壊れてしまったから、くるまくんが望めばやけど」と契約解除を持ちかけられたと明かしていた。内容が正しければ、遠回しな言い方での“退所勧告”ともとれる。起こしてしまったことを反省して復帰を待つ期間を過ごしていたくるまが、なぜ吉本側にこのような対応をとられざるを得なかったのか。
「本当にもったいないことになった」と語る別の関係者もおり、たぐいまれな才能を持った2人の今後が安泰なものとなるかは、引き続き注視する必要があるだろう。
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