旭日小綬章に決まった落語家の五街道雲助さん(本人提供) 「小さい時分から人前に出るのが苦手なたちでした」という五街道雲助さん。口下手を克服しようと大学で落語研究会に入り、子供の頃、母親のお供で寄席に通い培った落語愛に火が付いた。
大学を中退して十代目金原亭馬生に入門。江戸の古典落語を追求し、卓越した話芸で2023年、人間国宝に。続く今回の受章にも「果たして私はそれにふさわしいかと自問をしてしまいます。最晩年に、あり余る光栄を添えていただいた」と殊勝に受け止める。
その落語の魅力は、「間口の広い芸能でどなたでも入りやすく、入れば奥が深い。しかもそれを一人で演じ切る面白さが妙味かもしれません」。
落語界の発展への貢献にも一層期待が高まる。「こんな者でも後進が多く稽古を頼みに来ます。自分の養ってきたものを多く伝えていければ」。

高座で口演する落語家の五街道雲助さん(本人提供)