中国共産党序列3位の趙楽際・全国人民代表大会常務委員長(右)と握手する日中友好議員連盟会長の森山裕自民党幹事長=29日、北京市 【北京時事】超党派の日中友好議員連盟の森山裕会長(自民党幹事長)らは29日、中国共産党序列3位の趙楽際・全国人民代表大会常務委員長(国会議長に相当)と北京の人民大会堂で約50分間会談した。森山氏は日本産水産物の輸入規制を早期に撤廃するよう要請。趙氏は関係当局で調整が進められていると説明した。
森山氏は「日本の水産物や牛肉、コメの輸入再開について早期に結果が出ることを強く期待している」と強調。「国民の理解と支持を得るには懸案を一つでも減らし、進展を示していくことが重要だ」と述べ、中国での邦人拘束や東シナ海への進出、レアアース(希土類)の輸出管理など日中間の懸案について中国側の対応を求めた。
趙氏は水産物や牛肉、コメの輸入問題について「日本側の高い関心はよく承知している」と答えた上で、「関係部門の間で前向きなやりとりが行われている」と述べた。邦人の解放などについては具体的な回答はなかった。
趙氏はトランプ米政権の高関税政策に対する中国の立場についても説明。森山氏は「経済大国にふさわしい責任を果たしてほしい」と求めた。
和歌山県で飼育されているジャイアントパンダ4頭が6月末ごろに中国に返還される運びとなったことを踏まえ、森山氏らは新規の貸与を要請。趙氏はパンダを「日中友好の使者」とし、「担当部門の間でやりとりができるだろう」と交渉入りの可能性に言及した。

中国共産党序列3位の趙楽際・全国人民代表大会常務委員長との会談に臨む日中友好議員連盟の森山裕会長(中央)ら=29日、北京市