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菊之助あらため8代目尾上菊五郎(47)、長男の丑之助あらため6代目尾上菊之助(11)が29日、東京・歌舞伎座で行われた「古式顔寄せ手打式」をもって、正式に新しい名前となった。2人は「團菊祭五月大歌舞伎」(5月2〜27日、歌舞伎座)から始まる襲名披露興行前に決意を述べた。8代目の父で7代目菊五郎(82)との史上初の菊五郎2人体制で歌舞伎を盛り上げる。
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歌舞伎俳優95人と舞台関係者10人、計105人が舞台にそろった。1900人以上で満員となった劇場を見渡し、8代目菊五郎は「尾上菊五郎の名跡を8代目として襲名いたす運びと相成りましてございます」と、「8代目」に力を込めてあいさつした。「初代が、菊五郎を名乗り約300年。2人の菊五郎が史上初めて並び立つことになりましてございます。重き名跡を相続いたしたからには、なお一層芸道に精進に励みまして、先祖の名に恥じぬよう努力まいる覚悟にございます」と決意を述べた。
「2人の菊五郎」というフレーズで、観客から温かい笑いが起こった。父の7代目が、8代目と6代目菊之助を紹介し「(2人を)末永く、ごひいき、お引き立てひきたてのことお願い申し上げます」と述べたばかり。さっそく並び立ったダブル菊五郎に拍手が送られた。
菊之助は「大きな名跡を襲名させていただく感謝とともに、立派な歌舞伎俳優になれますよう、なお一層精進いたします」と大きな声を響かせた。
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終演後、取材に応じた8代目は「襲名のことを父から披露してもらい、出発できましたことは生涯忘れることはございません」と感慨を込めた。菊五郎が2人になることで、どう呼んだらいいのかという質問には「父は楽屋で『七っちゃん、八っちゃんと呼んでくれ』と。父らしい発言でございました」と、父の発言を紹介して笑わせた。
この日は、初代菊五郎からの歴史をたどる特別映像「菊重扇面影(きくがさねはなのおもかげ)」や、3月31日に神田明神で行われた襲名記念のお練りの様子が上映された。襲名して初めての舞踊「七福神」も披露し、8代目は「私たち親子にとって忘れがたい日になりました」と話した。
襲名披露興行は、5、6月の歌舞伎座から始まり、全国各地で行われる。
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