宮本信子、『伊丹十三4K映画祭』の最終週に万感の思い「10作の全部に魂が入っている」

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2025年04月30日 16:31  ORICON NEWS

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『伊丹十三4K映画祭』への思いを語った宮本信子 (C)ORICON NewS inc.
 俳優の西村まさ彦、宮本信子が30日、都内で行われた『伊丹十三 4K 映画祭』の『マルタイの女』(1997年公開)の上映記念イベントに登壇した。

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 1997年に64歳で亡くなった伊丹十三監督の10作品を4K化し、10週連続でロードショーするイベント。あす5月1日まで公開される『マルタイの女』で最終日を迎える。この日、伊丹監督の妻である宮本は登壇できない予定だったが、スケジュールの都合がついたことでサプライズの登壇となった。

 舞台上で久しぶりの再会となった西村と握手を交わした宮本。最終週に公開された『マルタイの女』まで満員御礼となった会場を見渡すと宮本は「伊丹さんが、どうしてこの『マルタイの女』を作ろうと思ったのかと言うと、取材の時にあるクリーニング屋さんの女将さん、お若い方だそうですが事件に遭遇して『証言します』とおっしゃったそうです。証言するということは、ご自分のお店や家族、命が脅かされるかもしれないのに。その勇気に伊丹さんは『感動して、心を震えた』と言っておりました。それから、もう1つは自分を守ってくれた刑事さんです。私もマルタイの女でしたけど、朝から晩までどこに行くにしても映画と同じように何かあった時は身を挺して守る。その大事な仕事をしてくださる刑事さんたちに感謝の気持ちと、『これを作らないと前に進めない』ということで『マルタイの女』を作ったんだと思います」と話していた。

 また、大盛況となった『伊丹十三 4K 映画祭』。最終週を迎え、宮本は「伊丹さんがいつも言っておりましたが、伊丹映画は3つあります。1つ、『びっくりした』。2つ、『面白い』。3つ、『誰でもわかる』。これが伊丹さんの精神でした」と明かす。「賞をいただくための映画は作りたくない。皆さんが観てくださって、エンターテイメントの映画で面白かった、楽しかった、励まされたとなるような映画を作りたいんだ、と。この10作の全部に魂が入っていると思います」と遺された作品について熱い思いを語ると「お客様、本当にありがとうございます」と目に涙を溜めながら感謝の言葉を紡いでいた。

 『マルタイの女』は、殺人事件を目撃した女優と、彼女を守る刑事の裁判までの日々を描いた異色のサスペンス・コメディ。カルト教団による殺人事件を目撃した女優のビワコ(宮本信子)は、裁判の証言者として“マルタイ”(身辺保護の対象者)となる。堅物の刑事・立花(西村雅彦※現在は西村まさ彦)とビワコのファンの近松(村田雄浩)がガードするが、教団側はさまざまな手で攻撃してくる…。

 また、伊丹十三映画4Kは、5月17日午後8時から日本映画専門チャンネルで全10作品を一挙放送する。

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